雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「ところで栗原さん、結婚するとエッチってどれくらいになるんですか?」

肉じゃがを煮込みながら、まりえちゃんがとんでもない話を始める。
こうくんとみっくんにでも聞かれたらとハラハラする。

あ、リビングでゲームしている。
私たちの話は全く聞こえていなそう。

ほっ。

「まりえちゃんこそ、どうなの? 彼とは会う度にって感じ?」

栗原さんが鍋の中の肉じゃがの様子を伺いながら言った。

「つき合ったばかりはそうだったんですけどね。最近はそうでもなくて」

まりえちゃんがため息をつく。

「だから新しい魅力で攻めてみようかと」
「なるほど。胃袋を掴みにいくんだ」
「はい。私、今の彼と結婚狙っているんです」

結婚……。

まりえちゃん、まだ若いのに積極的。
私と拓海さんは全然そんな所も考えられない。

そもそも、体の関係もないし……。

拓海さんとしたいな……。
この間、生理じゃなかったらしていたのかな。

体の関係があれば不安になる事もないのかな。

拓海さんと佐伯リカコは元夫婦だし。当然、そういう関係もあった訳で……。

私の知らない拓海さんを佐伯リカコは知っているんだ。

妬けるな。

はあ。

思わずため息が出た。

「中島さん、どうしました?」

まりえちゃんがこっちを見る。

「えっ、いや、まりえちゃん、凄いなと思って。私は全然、結婚とか考えられる人も……いないし」

「今度、紹介しましょうか? 中島さんに合いそうな男性。丁度、合コンの話があるんですけど」

まりえちゃんの提案にびっくり。

「ううん。大丈夫」

さすがにそれは受けられない。

「中島さん、積極的にいかないと」
「いや、でも、本当に大丈夫だから」
「そうですか」

まりえちゃんが残念そうに息をついた。
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