雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
栗原さんが駅まで送ると言ってくれたけど、大丈夫だと言って断った。一人になりたかった。
「ちょっと、中島さん、奈々ちゃん、待って、俺も一緒に出るから」
玄関で靴を履いていると、拓海さんが追いかけてくる。
「雨宮課長、私と一緒に歩いている所、パパラッチに撮られたらマズイんじゃないんですか?」
「さすがにここまでは来ていない」
「わからないですよ。油断しない方がいいと思いますが」
「別に撮られたってかまわない」
「どうして? あ、私はただの部下ですものね」
「奈々ちゃん、なんで怒っているんだ?」
「怒っていませんよ!」
拓海さんの所に佐伯リカコから連絡が入ってから、変な感情のスイッチが入った。なんかくしゃくしゃに丸まった紙屑みたいに気持ちが潰れて、素直になれない。
きっとこの気持ちは嫉妬だ。
拓海さんが私だけの拓海さんじゃないから嫌なんだ。
「あの、お邪魔しました」
栗原さんに言って、玄関を出た。
私の後ろを拓海さんもついてくる。
外はもうすっかり暮れていて、来た時と風景が違う。
住宅街をなんとなくの勘だけを頼りに歩く。
「奈々ちゃん、駅そっちじゃないけど」
後ろから拓海さんの声がした。
拓海さんのつっこみにムカつく。
「雨宮課長は早く駅に行って下さい。佐伯リカコさんが待っているんでしょ?」
「奈々ちゃん」
強く腕を掴まれ、仕方なく立ち止まった。
「ちょっと、中島さん、奈々ちゃん、待って、俺も一緒に出るから」
玄関で靴を履いていると、拓海さんが追いかけてくる。
「雨宮課長、私と一緒に歩いている所、パパラッチに撮られたらマズイんじゃないんですか?」
「さすがにここまでは来ていない」
「わからないですよ。油断しない方がいいと思いますが」
「別に撮られたってかまわない」
「どうして? あ、私はただの部下ですものね」
「奈々ちゃん、なんで怒っているんだ?」
「怒っていませんよ!」
拓海さんの所に佐伯リカコから連絡が入ってから、変な感情のスイッチが入った。なんかくしゃくしゃに丸まった紙屑みたいに気持ちが潰れて、素直になれない。
きっとこの気持ちは嫉妬だ。
拓海さんが私だけの拓海さんじゃないから嫌なんだ。
「あの、お邪魔しました」
栗原さんに言って、玄関を出た。
私の後ろを拓海さんもついてくる。
外はもうすっかり暮れていて、来た時と風景が違う。
住宅街をなんとなくの勘だけを頼りに歩く。
「奈々ちゃん、駅そっちじゃないけど」
後ろから拓海さんの声がした。
拓海さんのつっこみにムカつく。
「雨宮課長は早く駅に行って下さい。佐伯リカコさんが待っているんでしょ?」
「奈々ちゃん」
強く腕を掴まれ、仕方なく立ち止まった。