雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
心中未遂?
ホテルから拓海さんとタクシーで佐伯リカコが入院している大学病院に向かう。
状況がわかるまでは拓海さんの存在は隠した方がいいという私の助言を聞いてくれて、拓海さんはホテルで調達した帽子とマスクで顔を隠している。
昨日から電源を切っていた拓海さんのスマホには佐伯リカコからの着信が20件も残っていた。
それを聞いて罪悪感を感じる。
心中未遂だなんて……。
佐伯リカコは生命の危機にあったから『今すぐ来て』と拓海さんにメッセージを送ったのかもしれない。必死に拓海さんに助けを求めていたのだとしたら、私が邪魔をした事になる。
もしかしたら、拓海さんが佐伯リカコの元に駆けつけていたら、心中未遂なんて事態にはならなかったんじゃないだろうか。そう考えると胸が苦しくなる。
「奈々ちゃんのせいじゃないよ」
膝の上の私の手を握りながら拓海さんが言ってくれた。
拓海さんの手が触れた瞬間、普段よりも手が冷たくて驚いた。
眼鏡とマスクで表情はわからないけど、拓海さん、心配で堪らないんだ。
元奥さんだものね。
心中未遂なんて聞いたら動揺するよね。
どうか佐伯リカコが無事でいてくれますように。
状況がわかるまでは拓海さんの存在は隠した方がいいという私の助言を聞いてくれて、拓海さんはホテルで調達した帽子とマスクで顔を隠している。
昨日から電源を切っていた拓海さんのスマホには佐伯リカコからの着信が20件も残っていた。
それを聞いて罪悪感を感じる。
心中未遂だなんて……。
佐伯リカコは生命の危機にあったから『今すぐ来て』と拓海さんにメッセージを送ったのかもしれない。必死に拓海さんに助けを求めていたのだとしたら、私が邪魔をした事になる。
もしかしたら、拓海さんが佐伯リカコの元に駆けつけていたら、心中未遂なんて事態にはならなかったんじゃないだろうか。そう考えると胸が苦しくなる。
「奈々ちゃんのせいじゃないよ」
膝の上の私の手を握りながら拓海さんが言ってくれた。
拓海さんの手が触れた瞬間、普段よりも手が冷たくて驚いた。
眼鏡とマスクで表情はわからないけど、拓海さん、心配で堪らないんだ。
元奥さんだものね。
心中未遂なんて聞いたら動揺するよね。
どうか佐伯リカコが無事でいてくれますように。