雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
泣き続ける佐伯リカコのそばを拓海さんは離れられる状況じゃなかった。
私が遠慮する場面だと思い、病室を後にしようとすると、拓海さんが心配するように私を見つめた。
拓海さんに余計な心配をかけたくなくて、私は大丈夫だから、佐伯さんが落ち着くまで一緒にいてあげて下さいと言った。私の言葉に拓海さんは何か言いたそうな顔をしたけど、わかったと頷き、佐伯リカコの病室に残った。
病院を出た後は、久保田を誘って新橋の昼間からやっている居酒屋に入った。
午後2時。お酒を飲むには日が高いけど、久保田も私もとても真っすぐ帰る気にはなれなかった。久保田も衝撃的な事を聞かされてショックなようだ。
「ちょっと久保田、飲んでる?」
カウンターに久保田と並んで座り、2杯目のハイボールを飲んだ。
レモンサワーを飲んでいた久保田はさっきから黙っている。
「なんで黙っているのよ? 私の話聞いてる?」
「聞いてますよ。つまり中島さんは、自分のせいであの方が心中未遂をして、流産したと言いたいんですね」
「そうよ。私がつまらない嫉妬をしたから、雨宮課長を引き留めてしまって。課長が彼女の所に行っていればこんな事にならなかった気がするんだ」
「病院にいた時から気になっていたんですけど」
久保田がまつ毛の長いくりっとした目を向けてくる。
「何?」
「中島さんは雨宮課長とつき合っているんですか?」
あっ……。
拓海さんとつき合っている事はまだ内緒だった。
私が遠慮する場面だと思い、病室を後にしようとすると、拓海さんが心配するように私を見つめた。
拓海さんに余計な心配をかけたくなくて、私は大丈夫だから、佐伯さんが落ち着くまで一緒にいてあげて下さいと言った。私の言葉に拓海さんは何か言いたそうな顔をしたけど、わかったと頷き、佐伯リカコの病室に残った。
病院を出た後は、久保田を誘って新橋の昼間からやっている居酒屋に入った。
午後2時。お酒を飲むには日が高いけど、久保田も私もとても真っすぐ帰る気にはなれなかった。久保田も衝撃的な事を聞かされてショックなようだ。
「ちょっと久保田、飲んでる?」
カウンターに久保田と並んで座り、2杯目のハイボールを飲んだ。
レモンサワーを飲んでいた久保田はさっきから黙っている。
「なんで黙っているのよ? 私の話聞いてる?」
「聞いてますよ。つまり中島さんは、自分のせいであの方が心中未遂をして、流産したと言いたいんですね」
「そうよ。私がつまらない嫉妬をしたから、雨宮課長を引き留めてしまって。課長が彼女の所に行っていればこんな事にならなかった気がするんだ」
「病院にいた時から気になっていたんですけど」
久保田がまつ毛の長いくりっとした目を向けてくる。
「何?」
「中島さんは雨宮課長とつき合っているんですか?」
あっ……。
拓海さんとつき合っている事はまだ内緒だった。