雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「僕、五年も中島さんに片思いしているんですよ。少しはこっちを見て下さい。雨宮課長と出来ていたなんて聞いたら妬けます。嫉妬で今、苦しいです。心中未遂なんかどうでもよくなりました。僕にとっては雨宮課長と中島さんがつき合っている事の方が大事件です」
カウンターの上にドンっと音を立てて久保田がグラスを置いた。
「中島さん、酷い裏切りです」
「裏切りって何言ってんの。久保田は今日子さんが好きって言ってたじゃない」
「今日子さんを好きになったのはよく考えたら中島さんと重なる部分があったからです」
「私と今日子さん、全然タイプ違うけど」
「年上で、優しい所が似ています」
「私、優しくないよ」
「中島さんは優しいですよ。僕が煮詰まっていると声をかけてくれるし、カフェオレ買ってくれるし、困っていると手を差し伸べてくれる。阿久津からも守ってくれたし。それに仕事に対する真っすぐな所は尊敬できるし。この人、本当に映画が死ぬ程好きなんだなって、一緒にいて感じて、そういう所に惹かれるんです。中島さんはいつも僕の目標です。僕も中島さんのように仕事ができるようになりたいって思っています」
久保田、そんな風に慕ってくれていたんだ。
なんかくすぐったい。
「中島さん、僕にもチャンス下さい」
拓海さんの手より分厚い手にいきなり手を掴まれる。
「放して」
「放しません」
抵抗しても久保田の手はびくともしない。
力では敵わない。久保田も男なんだと思った時、不覚にもキュンとする。
カウンターの上にドンっと音を立てて久保田がグラスを置いた。
「中島さん、酷い裏切りです」
「裏切りって何言ってんの。久保田は今日子さんが好きって言ってたじゃない」
「今日子さんを好きになったのはよく考えたら中島さんと重なる部分があったからです」
「私と今日子さん、全然タイプ違うけど」
「年上で、優しい所が似ています」
「私、優しくないよ」
「中島さんは優しいですよ。僕が煮詰まっていると声をかけてくれるし、カフェオレ買ってくれるし、困っていると手を差し伸べてくれる。阿久津からも守ってくれたし。それに仕事に対する真っすぐな所は尊敬できるし。この人、本当に映画が死ぬ程好きなんだなって、一緒にいて感じて、そういう所に惹かれるんです。中島さんはいつも僕の目標です。僕も中島さんのように仕事ができるようになりたいって思っています」
久保田、そんな風に慕ってくれていたんだ。
なんかくすぐったい。
「中島さん、僕にもチャンス下さい」
拓海さんの手より分厚い手にいきなり手を掴まれる。
「放して」
「放しません」
抵抗しても久保田の手はびくともしない。
力では敵わない。久保田も男なんだと思った時、不覚にもキュンとする。