雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
インターホンを押すと森さんがドアを開けてくれた。通された客室は豪華なスィートルームで、グランドピアノがあったり、広いダイニングコーナーにはバーがあったり、リビングの天井にはシャンデリアがあったりして、まさに女王様の部屋って感じだった。
さすが人気女優。
部屋を見ていると、奥の部屋から黒スーツの佐伯リカコが出て来た。
背中まであった長い髪が耳が出る程のショートカットになっていたのは驚いた。
「中島さん、わざわざお越し頂きありがとうございます」
佐伯リカコが私に深く頭を下げた。
「おかけになって下さい」
佐伯リカコに言われて、ふかふかのソファに腰かける。森さんが紅茶を淹れてくれて、私と佐伯リカコの前にティーカップを置いた。
向かい側に座った佐伯リカコは普段より地味な印象だけど、美しかった。こんなに美しい人が拓海さんの元奥さんだと思ったら少しだけ妬ける。
「中島さんには私の知らない所で沢山、迷惑をかけたみたいで、本当にすみませんでした。雨宮さんから中島さんの事は聞きました。雨宮さんを利用するような事をしてしまって、中島さんはいい気分じゃなかったですよね。週刊誌に写真は出てしまうし、中島さんは雨宮さんとつき合っている事は秘密にしなきゃいけないし、雨宮さんと会うのも気を遣っただろうし」
佐伯リカコの話を聞きながら、今までの苦労が思い浮かぶ。嫉妬で身が千切れそうになる事ばかりだった。
「私が中島さんの立場だったら、かなりキレていると思います。今まで我慢させてしまって本当に申し訳なかったです」
佐伯リカコが立ち上がって、さっきよりも深く頭を下げた。
その姿に謝罪の言葉はうわべだけではなく、申し訳なかったという気持ちが感じられる。
彼女なりに一生懸命謝罪をしてくれているんだと思ったら、何だか怒れなくなった。
今日は佐伯リカコに言いたい事を言ってやろうと思っていたのに。
さすが人気女優。
部屋を見ていると、奥の部屋から黒スーツの佐伯リカコが出て来た。
背中まであった長い髪が耳が出る程のショートカットになっていたのは驚いた。
「中島さん、わざわざお越し頂きありがとうございます」
佐伯リカコが私に深く頭を下げた。
「おかけになって下さい」
佐伯リカコに言われて、ふかふかのソファに腰かける。森さんが紅茶を淹れてくれて、私と佐伯リカコの前にティーカップを置いた。
向かい側に座った佐伯リカコは普段より地味な印象だけど、美しかった。こんなに美しい人が拓海さんの元奥さんだと思ったら少しだけ妬ける。
「中島さんには私の知らない所で沢山、迷惑をかけたみたいで、本当にすみませんでした。雨宮さんから中島さんの事は聞きました。雨宮さんを利用するような事をしてしまって、中島さんはいい気分じゃなかったですよね。週刊誌に写真は出てしまうし、中島さんは雨宮さんとつき合っている事は秘密にしなきゃいけないし、雨宮さんと会うのも気を遣っただろうし」
佐伯リカコの話を聞きながら、今までの苦労が思い浮かぶ。嫉妬で身が千切れそうになる事ばかりだった。
「私が中島さんの立場だったら、かなりキレていると思います。今まで我慢させてしまって本当に申し訳なかったです」
佐伯リカコが立ち上がって、さっきよりも深く頭を下げた。
その姿に謝罪の言葉はうわべだけではなく、申し訳なかったという気持ちが感じられる。
彼女なりに一生懸命謝罪をしてくれているんだと思ったら、何だか怒れなくなった。
今日は佐伯リカコに言いたい事を言ってやろうと思っていたのに。