雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「雨宮さんに沢山、叱られました」
ソファに座った佐伯リカコが思い出したように口にした。
「覚えていますか? 先週、病室に雨宮さんを残して中島さん、帰ったでしょ? あの後、物凄い勢いで叱られました。あんなに叱られたのは初めて。結婚していた時、雨宮さんは私に怒った事がなくて、いつもすまないって言っているだけで」
あの後も、泣きじゃくる佐伯リカコを拓海さんが優しく宥めていたのかと思ったけど、違ったんだ。
「彼は私の知っている頃の彼じゃなかった。叱られたおかけで目が覚めました。それで深く反省しました」
拓海さんのお説教が効いて良かった。
本当、この方には反省してもらいたい。
でも、物凄い勢いで叱る拓海さんって、どんな感じなんだろう。怖いのかな。
「中島さん、雨宮さんは中島さんが一番のようです。私、弱っていて雨宮さんに甘えたくなったけど、突っぱねられました。中島さんを泣かせる事は絶対に出来ないと言って。だから中島さん、心配しないで下さい。彼の気持ちはあなたにしかありませんから」
拓海さん、ハッキリと言ってくれたんだ。
私、大事にされているんだ。胸がじーんとする。
「それに、私が心中しかけた事に中島さんは何の責任も感じる必要はありませんから。全て私が悪いんです。雨宮さんに電話したのは私の甘えです。彼なら私を止めてくれるんじゃないかとすがってしまった。すがってはいけなかったのに。私がすがる相手は雨宮さんではなく、薬を持って来たあの人だったのに。でも、あの人の気持ちがよくわかりました。あの人、私とは別れるって言いました。奥様には敵わなかった。バカですよね。私」
寂しそうに佐伯リカコが笑った。
私たちを巻き込んだ恋の結末を聞いて腹が立った。
ソファに座った佐伯リカコが思い出したように口にした。
「覚えていますか? 先週、病室に雨宮さんを残して中島さん、帰ったでしょ? あの後、物凄い勢いで叱られました。あんなに叱られたのは初めて。結婚していた時、雨宮さんは私に怒った事がなくて、いつもすまないって言っているだけで」
あの後も、泣きじゃくる佐伯リカコを拓海さんが優しく宥めていたのかと思ったけど、違ったんだ。
「彼は私の知っている頃の彼じゃなかった。叱られたおかけで目が覚めました。それで深く反省しました」
拓海さんのお説教が効いて良かった。
本当、この方には反省してもらいたい。
でも、物凄い勢いで叱る拓海さんって、どんな感じなんだろう。怖いのかな。
「中島さん、雨宮さんは中島さんが一番のようです。私、弱っていて雨宮さんに甘えたくなったけど、突っぱねられました。中島さんを泣かせる事は絶対に出来ないと言って。だから中島さん、心配しないで下さい。彼の気持ちはあなたにしかありませんから」
拓海さん、ハッキリと言ってくれたんだ。
私、大事にされているんだ。胸がじーんとする。
「それに、私が心中しかけた事に中島さんは何の責任も感じる必要はありませんから。全て私が悪いんです。雨宮さんに電話したのは私の甘えです。彼なら私を止めてくれるんじゃないかとすがってしまった。すがってはいけなかったのに。私がすがる相手は雨宮さんではなく、薬を持って来たあの人だったのに。でも、あの人の気持ちがよくわかりました。あの人、私とは別れるって言いました。奥様には敵わなかった。バカですよね。私」
寂しそうに佐伯リカコが笑った。
私たちを巻き込んだ恋の結末を聞いて腹が立った。