雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
12階のカフェバーからは日比谷公園が見下ろせる。
窓際のカウンター席で、紅葉した公園の景色を眺めながら幸せを感じる。
隣に拓海さんがいる。濃いグレーのスーツが素敵。
昨日は拓海さん家にお泊りして、今日のスーツは私が選ばせてもらった。
カッコイイな。拓海さん。
でへ。
「中島さん、仕事中だよ」
書類から視線を上げた拓海さんが叱るように言った。
「僕の話を聞いてる?」
「えっ」
やば。拓海さんが麗し過ぎて聞いていなかった。
「困った人だな」
拓海さんがため息をつき、ブレンドコーヒーに口をつけた。
たったそれだけの仕草に目を奪われる。拓海さんがする事は何でも優雅に見える。
「雨宮課長、すみません。こんな風に課長とカフェバーに来れた事が嬉しくて」
「そうですか。では、仕事の話に戻ります」
拓海さん、全然隙がない。
ちょっとぐらい甘い顔をしてくれてもいいのに。
「それで、宣伝部で聞いたけど、中島さんが宣伝部のコーナーの時に司会に立つの?」
久保田に頼んであった事だ。
創立記念パーティーで宣伝部一押しの作品を上映する事になっていて、そのコーナーを私が担当させてもらえる事になった。
「はい。宣伝部は今、来月公開の『ラストヒロイン』のプロモーションと、ロングランしている『今日子』で忙しいですから、私が作品紹介の時は司会に立ちます。雨宮課長の許可が必要でしたか?」
「今聞いたから大丈夫です。上映作品に変更はありませんか?」
「そこに記載されている通りです」
拓海さんがじっと私の顔を見る。
恋人の緩い表情ではなく、仕事中の真剣な表情で見つめられてドキッとする。
頬が熱い。
なんで拓海さん、黙ったまま見つめてくるの?
窓際のカウンター席で、紅葉した公園の景色を眺めながら幸せを感じる。
隣に拓海さんがいる。濃いグレーのスーツが素敵。
昨日は拓海さん家にお泊りして、今日のスーツは私が選ばせてもらった。
カッコイイな。拓海さん。
でへ。
「中島さん、仕事中だよ」
書類から視線を上げた拓海さんが叱るように言った。
「僕の話を聞いてる?」
「えっ」
やば。拓海さんが麗し過ぎて聞いていなかった。
「困った人だな」
拓海さんがため息をつき、ブレンドコーヒーに口をつけた。
たったそれだけの仕草に目を奪われる。拓海さんがする事は何でも優雅に見える。
「雨宮課長、すみません。こんな風に課長とカフェバーに来れた事が嬉しくて」
「そうですか。では、仕事の話に戻ります」
拓海さん、全然隙がない。
ちょっとぐらい甘い顔をしてくれてもいいのに。
「それで、宣伝部で聞いたけど、中島さんが宣伝部のコーナーの時に司会に立つの?」
久保田に頼んであった事だ。
創立記念パーティーで宣伝部一押しの作品を上映する事になっていて、そのコーナーを私が担当させてもらえる事になった。
「はい。宣伝部は今、来月公開の『ラストヒロイン』のプロモーションと、ロングランしている『今日子』で忙しいですから、私が作品紹介の時は司会に立ちます。雨宮課長の許可が必要でしたか?」
「今聞いたから大丈夫です。上映作品に変更はありませんか?」
「そこに記載されている通りです」
拓海さんがじっと私の顔を見る。
恋人の緩い表情ではなく、仕事中の真剣な表情で見つめられてドキッとする。
頬が熱い。
なんで拓海さん、黙ったまま見つめてくるの?