雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「私、何か変な事言いました?」
「いや。奈々ちゃんは奈々ちゃんだなと思って」
「それってどういう意味で?」
「食べる事が大好きな所は変わらないって意味。俺、奈々ちゃんが幸せそうな顔をして食べる顔が好きなんだ。いつも奈々ちゃんは俺の作ったご飯を本当に嬉しそうな顔をして食べてくれるんだ」
目を細めてどこか遠くを見つめる雨宮課長に切なくなる。
今、雨宮課長が思い浮かべているのは、ここにいる私ではなく、記憶を失くす前の私……。そう思ったら、うきうきと弾んでいた気持ちが萎んだ。
「すみません」
そうとしか言えない。
「なんで謝るんだ?」
「だって私……、雨宮課長の事、覚えていないから」
なんで覚えていないんだろう。
昨日から問い続けているけど、答えは見つからない。
「奈々ちゃん、自分を責めないで。奈々ちゃんは悪くないから。ね」
正面から大きな手が伸びて来て、ネットで覆われていない部分の頭を撫でてくれる。手のひらから大丈夫だよっていう雨宮課長の気持ちが伝わって来て、喉の奥が熱くなる。
雨宮課長はやっぱり優しい……。
「いや。奈々ちゃんは奈々ちゃんだなと思って」
「それってどういう意味で?」
「食べる事が大好きな所は変わらないって意味。俺、奈々ちゃんが幸せそうな顔をして食べる顔が好きなんだ。いつも奈々ちゃんは俺の作ったご飯を本当に嬉しそうな顔をして食べてくれるんだ」
目を細めてどこか遠くを見つめる雨宮課長に切なくなる。
今、雨宮課長が思い浮かべているのは、ここにいる私ではなく、記憶を失くす前の私……。そう思ったら、うきうきと弾んでいた気持ちが萎んだ。
「すみません」
そうとしか言えない。
「なんで謝るんだ?」
「だって私……、雨宮課長の事、覚えていないから」
なんで覚えていないんだろう。
昨日から問い続けているけど、答えは見つからない。
「奈々ちゃん、自分を責めないで。奈々ちゃんは悪くないから。ね」
正面から大きな手が伸びて来て、ネットで覆われていない部分の頭を撫でてくれる。手のひらから大丈夫だよっていう雨宮課長の気持ちが伝わって来て、喉の奥が熱くなる。
雨宮課長はやっぱり優しい……。