雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「桜井さんとはゆっくり話せた?」

私の隣に腰を下ろした雨宮課長が、長い足を組んだ姿勢でこっちを見る。
ソファに座っているだけなのに絵になる。

社内のみんながカッコイイと言っていたけど、確かにカッコイイ。
やっぱり雨宮課長は私なんかと釣り合わない気がする。

なんでこんなに素敵な人が私の隣にいるんだろう?

「はい。あの、楽しく話せました」
「どんな事を話したの?」
「えーと、それは……」

記憶を取り戻す為に雨宮課長とエッチをすればいいという桃子の話は言えない……。

他に何話したっけ? 頭真っ白。心臓ドキドキ。脇の下と背中から変な汗出て来た。なんか話さなきゃ……。

「俺には聞かせられない話?」

口の端を上げてニヤッと笑みを浮かべる表情がなんか意地悪。
そんな雨宮課長に心臓が反応して慌ただしく鳴っている。意識しないようにすればする程、心臓の音が大きくなっていく。恥ずかしい。隣の雨宮課長に聞こえちゃう。もう、どうしてこんなにドキドキしているの? 
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