雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
恋愛は苦手。相手に嫌われたくないとか、どう思われているかとか、必要以上に考えて疲れるから。それで、段々一緒にいるのが苦しくなって、そういうのが相手に伝わって最後は――
――俺、無理だわ。
相手から離れていく。
そして、傷つく。
だから、一人でいる方が気楽でいい。
私には好きな映画の仕事があればいい。
ずっとそう思って来た。
なのに……
いきなり雨宮課長が恋人とか、同棲しているとか、意味がわからない。
だから、雨宮課長を遠ざけようとした。けど、優しくされて、大事にされて、甘えられて、好きになってしまった。
そして私はひねくれもので、そんな自分の気持ちに素直になれない。心が裏返って、ねじれて、雨宮課長を前にすると感情がコントロールできなくなる。
今、こうして雨宮課長が隣にいてくれるのが嬉しいのに、嬉しさを伝えたくない。それ所かぶすっとした顔をして不機嫌な態度を取ってしまう。
私の事を可愛げがないと言った成瀬君の言葉が今になってよくわかる。確かに可愛げがない。好きな人に甘えられないんだから。
「怒ってる? そうですね。多少は怒ってるのかも。なんでって聞かれたら自分でもよくわかりません。喫煙室で私の知らない人と親しそうにしている雨宮課長を見たくなかったというか……。煙草を吸っている雨宮課長も初めて見たから、びっくりしたっていうか。なんか私の知らない雨宮課長ばかりが目について嫌って言うか。それから、雨宮課長の事、嫌い……では、ないです。多分」
今の私が答えられるのはこれで精一杯。
雨宮課長、私の事、可愛げがないって思うよね? こんな私に呆れるよね?
――俺、無理だわ。
相手から離れていく。
そして、傷つく。
だから、一人でいる方が気楽でいい。
私には好きな映画の仕事があればいい。
ずっとそう思って来た。
なのに……
いきなり雨宮課長が恋人とか、同棲しているとか、意味がわからない。
だから、雨宮課長を遠ざけようとした。けど、優しくされて、大事にされて、甘えられて、好きになってしまった。
そして私はひねくれもので、そんな自分の気持ちに素直になれない。心が裏返って、ねじれて、雨宮課長を前にすると感情がコントロールできなくなる。
今、こうして雨宮課長が隣にいてくれるのが嬉しいのに、嬉しさを伝えたくない。それ所かぶすっとした顔をして不機嫌な態度を取ってしまう。
私の事を可愛げがないと言った成瀬君の言葉が今になってよくわかる。確かに可愛げがない。好きな人に甘えられないんだから。
「怒ってる? そうですね。多少は怒ってるのかも。なんでって聞かれたら自分でもよくわかりません。喫煙室で私の知らない人と親しそうにしている雨宮課長を見たくなかったというか……。煙草を吸っている雨宮課長も初めて見たから、びっくりしたっていうか。なんか私の知らない雨宮課長ばかりが目について嫌って言うか。それから、雨宮課長の事、嫌い……では、ないです。多分」
今の私が答えられるのはこれで精一杯。
雨宮課長、私の事、可愛げがないって思うよね? こんな私に呆れるよね?