雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
拓海さんが作ってくれたのは、スモークサーモンのテリーヌ、ほうれん草とベーコンのキッシュ、ビーフシチュー、手作りのバターロールに、クリームブリュレ。
全部、私がリクエストした物だ。
何だって作れてしまう拓海さんはやっぱり凄い。
「もうお腹いっぱい。ご馳走です」
デザートのクリームブリュレまで残さず、食べきった。
どれも美味しかった。
「満足してくれたかな?」
「大満足。私、料理のできる人と結婚したかったんですよね。まさか、その夢が叶うとは思わなかった」
「えっ」
うっかりと口にした言葉にハッとする。
「えーと、ちょっと待ってて下さい」
リビングのソファに置いていた鞄からジュエリーショップの紙袋を取り出す。
それから、ダイニングテーブルの前に座る、拓海さんの前で片膝をついた。
「奈々ちゃん、どうしたの?」
手のひらの上に乗せたジュエリーの小箱を拓海さんの前に差し出した。
「私と結婚して下さい」
何度も練習したプロポーズ。
本当はバレンタインデーの夜に、泊まる予定だったホテルでするつもりだったけど、事故に遭って今日までお預けになってしまった。
眼鏡の奥の黒い瞳が見開いて、瞬きをして、それから黒いセーターの胸に抱き寄せられた。
全部、私がリクエストした物だ。
何だって作れてしまう拓海さんはやっぱり凄い。
「もうお腹いっぱい。ご馳走です」
デザートのクリームブリュレまで残さず、食べきった。
どれも美味しかった。
「満足してくれたかな?」
「大満足。私、料理のできる人と結婚したかったんですよね。まさか、その夢が叶うとは思わなかった」
「えっ」
うっかりと口にした言葉にハッとする。
「えーと、ちょっと待ってて下さい」
リビングのソファに置いていた鞄からジュエリーショップの紙袋を取り出す。
それから、ダイニングテーブルの前に座る、拓海さんの前で片膝をついた。
「奈々ちゃん、どうしたの?」
手のひらの上に乗せたジュエリーの小箱を拓海さんの前に差し出した。
「私と結婚して下さい」
何度も練習したプロポーズ。
本当はバレンタインデーの夜に、泊まる予定だったホテルでするつもりだったけど、事故に遭って今日までお預けになってしまった。
眼鏡の奥の黒い瞳が見開いて、瞬きをして、それから黒いセーターの胸に抱き寄せられた。