雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
成り行き上、廊下に積まれた段ボールを台車に乗せて中島さんと一緒に資料室に運んだ。

段ボ―ルは20ケースあり、しかも中身が本なので重い。確かにこれは中島さん一人にさせる訳にはいかない。

「あの、お忙しいのに雨宮課長の手を煩わせてすみません」

最後の往復をすると中島さんが本当に申し訳なさそうな表情を浮かべる。その表情を見てひっかかる。

蛍光灯を持って勇ましくカフェバーを闊歩していた時とは違い、元気がなさそうだ。何かあったんだろうか?

「いや、こちらこそ。なんか中島さん巻き込でしまってごめんね。手伝ってくれて助かりました。よし、これで最後っと」

資料室に台車から降ろしたダンボールを置いた。

身体を動かすとスッキリする。今日はデスクワークが多かったから肉体労働は気分転換になる。

「さて帰ろうか」
「あの」

中島さんが何か言いたそうにこっちを見た。
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