雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】

雨宮課長とご飯

断られると思ったら雨宮課長はご飯の誘いに乗ってくれた。
それで私は今、慌ててご飯のお店を探している。

よく考えたら雨宮課長の好みを知らない。フレンチ? イタリアン? 中華? それとも和食?

37歳の男の人って、どういう物が好きなんだろう?
風見係長も、栗原さんも、後藤さんも、まりえちゃんも帰ってしまって相談できない。久保田だったらまだ宣伝部にいるかな?

わざわざ久保田に相談する程の事でもないか。阿久津にバッタリ遭遇したら最悪だし。宣伝部はやめておこう。

雨宮課長にはお世話になりっぱなしだから、この際、ちゃんとお礼がしたいと思ってご飯に誘った訳だけど……。

もう少しよく考えてから誘えば良かった。
思いつきだけで行動する悪い癖が出た。

それになんで私、こんなに緊張しているんだろう?

超イケメンのハリウッドスターとだってご飯を食べに行った事があるのに、相手が雨宮課長だと思ったら、落ち着かない。さっきからそわそわして考えがまとまらない。

やっぱり今日はやめておけば良かったかな。

「中島さん、お待たせ」

庶務係のスペースで作業をしていたら、鞄を持った雨宮課長が顔を出した。

もう30分経ったんだ。

どうしよう。どこに行こう。
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