雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
なんとなくだけど、このお店とうちの会社のカフェバーの雰囲気が似ている気がする。
「なんかこのお店、親近感が湧くというか。カフェバーに似ているような」
私の言葉に雨宮課長がニッと口の端をあげた。
「中島さん。鋭いね。実はこの釜めし屋とうちの会社のカフェバーを設計した建築事務所が同じなんだ」
「ああ、それで」
「僕は建築事務所の人にここを教えてもらってね。実はこの店、ネットにあえて情報を出していない、口コミだけの穴場なんだ」
「今時、ネットに載せていないんですか?」
「そうなんだ。そういう挑戦的な所も気に入っている。あ、誰かを連れて来たのは中島さんが初めてだよ」
さりげなくつけ足された情報にドクンと胸が高鳴る。
私が初めて……。
どんな女性と来たんだろうと勘繰っていたのが恥ずかしい。
「中島さん、メニューどうぞ」
雨宮課長が差し出してくれたメニューを受け取った時、指先が触れて心臓が大きく揺れた。
あまりの衝撃にびっくりして雨宮課長を見ると、眼鏡の奥の瞳が戸惑っているようだった。
「ちょっと、お手洗い」
いきなり雨宮課長が立ち上がって出て行く。
ドキドキ……。
一人になっても心臓がうるさいほど鳴っている。
少し指先が触れただけなのに、物凄く動揺している。
どうしちゃったんだろう。私。
「なんかこのお店、親近感が湧くというか。カフェバーに似ているような」
私の言葉に雨宮課長がニッと口の端をあげた。
「中島さん。鋭いね。実はこの釜めし屋とうちの会社のカフェバーを設計した建築事務所が同じなんだ」
「ああ、それで」
「僕は建築事務所の人にここを教えてもらってね。実はこの店、ネットにあえて情報を出していない、口コミだけの穴場なんだ」
「今時、ネットに載せていないんですか?」
「そうなんだ。そういう挑戦的な所も気に入っている。あ、誰かを連れて来たのは中島さんが初めてだよ」
さりげなくつけ足された情報にドクンと胸が高鳴る。
私が初めて……。
どんな女性と来たんだろうと勘繰っていたのが恥ずかしい。
「中島さん、メニューどうぞ」
雨宮課長が差し出してくれたメニューを受け取った時、指先が触れて心臓が大きく揺れた。
あまりの衝撃にびっくりして雨宮課長を見ると、眼鏡の奥の瞳が戸惑っているようだった。
「ちょっと、お手洗い」
いきなり雨宮課長が立ち上がって出て行く。
ドキドキ……。
一人になっても心臓がうるさいほど鳴っている。
少し指先が触れただけなのに、物凄く動揺している。
どうしちゃったんだろう。私。