雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
でも、気になる。
雨宮課長と栗原さん。
俺も愛しているなんて。どんな仲になったら雨宮課長に言われるんだろうか。
「さっき私、雨宮課長と栗原さんの不倫現場目撃しちゃったんですけど」
食前酒の梅酒がほんのりと効いてきて、酔った勢いで口にした。深刻にならないように、あえて冗談のようにした。
「えっ」と眼鏡越しの瞳が驚いたように見開かれる。
「栗原さんとどういう仲なんですか? 『愛しているよ』なんて」
二度瞬きをしてから、雨宮課長が可笑しそうに笑う。
「あれを聞かれてしまったか」
雨宮課長が笑ってくれたから、ほっとした。
やっぱり、あのやり取りは軽いものだったんだ。
「栗原さんとは同じ大学で、映画研究会のサークルで一緒だったんだ。まあ、それからの腐れ縁。ちなみに栗原さんのご主人とも映研仲間でよく知っている」
「栗原さんご夫婦とお友達なんですね」
「そっ。栗原さんとは色っぽい関係じゃないよ。まあ、ケンカ友達ぐらいの関係かな」
「栗原さんとケンカするんですか?」
「大学時代はよくしたな。さすがに最近はないが」
「大人になったんですね」
「まあね。僕が大人になったんだ。栗原はまだ子どもだけど」
「栗原さんが聞いたら私が大人になったって言いそうですね」
クスッと笑うと眼鏡の奥の瞳と合った。「そうだな」と言って笑う課長の姿に胸がキュンとする。
不思議なぐらい沈んでいた気持ちがなくなっていた。
課長の言葉にこんなに自分が一喜一憂するとは思わなかった。
なんか恋する乙女みたい。
雨宮課長と栗原さん。
俺も愛しているなんて。どんな仲になったら雨宮課長に言われるんだろうか。
「さっき私、雨宮課長と栗原さんの不倫現場目撃しちゃったんですけど」
食前酒の梅酒がほんのりと効いてきて、酔った勢いで口にした。深刻にならないように、あえて冗談のようにした。
「えっ」と眼鏡越しの瞳が驚いたように見開かれる。
「栗原さんとどういう仲なんですか? 『愛しているよ』なんて」
二度瞬きをしてから、雨宮課長が可笑しそうに笑う。
「あれを聞かれてしまったか」
雨宮課長が笑ってくれたから、ほっとした。
やっぱり、あのやり取りは軽いものだったんだ。
「栗原さんとは同じ大学で、映画研究会のサークルで一緒だったんだ。まあ、それからの腐れ縁。ちなみに栗原さんのご主人とも映研仲間でよく知っている」
「栗原さんご夫婦とお友達なんですね」
「そっ。栗原さんとは色っぽい関係じゃないよ。まあ、ケンカ友達ぐらいの関係かな」
「栗原さんとケンカするんですか?」
「大学時代はよくしたな。さすがに最近はないが」
「大人になったんですね」
「まあね。僕が大人になったんだ。栗原はまだ子どもだけど」
「栗原さんが聞いたら私が大人になったって言いそうですね」
クスッと笑うと眼鏡の奥の瞳と合った。「そうだな」と言って笑う課長の姿に胸がキュンとする。
不思議なぐらい沈んでいた気持ちがなくなっていた。
課長の言葉にこんなに自分が一喜一憂するとは思わなかった。
なんか恋する乙女みたい。