雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「愛しているなんて、私も課長に言われてみたいな」

さらにお酒の勢いを借りて大胆な事を口にした。

ネクタイを緩めた課長が真っすぐにこっちを見る。

課長から色気がだだ漏れている。

なんで急にそんな色っぽい顔をするの?
冗談に混ぜた私の本音に気づいたの?

見つめられているのが息苦しい。

「あ、課長。釜めしの火、もう消えてますよ」

「中島さん、愛しているよ」

ドキンっ――!

驚いて課長を見ると「なんて」と言って笑みを浮かべた。

リクエストしといて何だけど、簡単に愛しているって言える課長が少しだけ憎らしい。

課長にとったら他愛もない言葉遊び。
私の事を特別に思って言った訳じゃない。

だけど、私にとっては課長は特別な人だ。
特別な人に愛しているなんて言われたら冷静じゃいられない。

心臓が物凄い勢いで動いているし、頬だって、背中だって熱い。
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