雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
水をくれた時に移動した雨宮課長は隣に座ったまま、まだ笑っている。脇腹まで抑えて。
テーブルの向こう側にいた時よりも距離が近い。
気配を感じて鼓動が落ち着かない。
しかも雨宮課長は眼鏡まで外し出した。
外した眼鏡をテーブルに置くと、雨宮課長は人差し指で涙を拭っていた。
初めて眼鏡の下の顔を見る。
素顔だと眼鏡をかけていた時よりも目が大きく見える。まつ毛が長くて、二重のくっきりとした凛々しい目をしている。
素顔もめちゃくちゃイケメンで困る。
「中島さん、最強すぎる。俺、今年一番笑ったかも」
僕じゃなく、俺。
素顔の課長は“俺”って言うんだ。
そう言えば昨日、居酒屋の帰り道も俺って言っていた。
「課長に楽しんで頂けて良かったです」
「猫舌なんだ」
「はい」
「気をつけようね」
小さな子に言うみたいに言われた。頭もポンポンって撫でられた。
完全に子ども扱い。
だけど、頭ポンポンってされた瞬間、キュンとして息が止まった。
そんな事、男の人にされた事ない。
私は可愛げのない女だから。
思えば雨宮課長には変な所ばかり見せている。
映画館で泣いていた所見られたし、パンダ目見られたし、昨日も泣き顔見せたし。今日は釜めしにやけどした所……。
「可愛いな、中島さんは」
課長の言葉が心臓に刺さる。
可愛い? この私が?
テーブルの向こう側にいた時よりも距離が近い。
気配を感じて鼓動が落ち着かない。
しかも雨宮課長は眼鏡まで外し出した。
外した眼鏡をテーブルに置くと、雨宮課長は人差し指で涙を拭っていた。
初めて眼鏡の下の顔を見る。
素顔だと眼鏡をかけていた時よりも目が大きく見える。まつ毛が長くて、二重のくっきりとした凛々しい目をしている。
素顔もめちゃくちゃイケメンで困る。
「中島さん、最強すぎる。俺、今年一番笑ったかも」
僕じゃなく、俺。
素顔の課長は“俺”って言うんだ。
そう言えば昨日、居酒屋の帰り道も俺って言っていた。
「課長に楽しんで頂けて良かったです」
「猫舌なんだ」
「はい」
「気をつけようね」
小さな子に言うみたいに言われた。頭もポンポンって撫でられた。
完全に子ども扱い。
だけど、頭ポンポンってされた瞬間、キュンとして息が止まった。
そんな事、男の人にされた事ない。
私は可愛げのない女だから。
思えば雨宮課長には変な所ばかり見せている。
映画館で泣いていた所見られたし、パンダ目見られたし、昨日も泣き顔見せたし。今日は釜めしにやけどした所……。
「可愛いな、中島さんは」
課長の言葉が心臓に刺さる。
可愛い? この私が?