雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
びっくりして右隣の雨宮課長の顔をまじまじと見ていると、雨宮課長がハッとしたような顔をする。

「ごめん。可愛いなんて言われたくなかった? 嫌な思いさせちゃったかな」

「あ、いえ。びっくりして。あの、初めて言われました」

「初めて?」

眼鏡のない瞳が驚いたように丸くなる。
そんなに驚かれるような事を言ったのかな。

「はい。あの、私、可愛げがないって、守ってあげたい感ゼロだって男の人に言われて、そうなのかなと思っていましたから」

雨宮課長に何を言っているんだろう。
こんな事、聞かされて相槌に困るよね。

「すみません。変な事言いました」

「謝らないで。そんな事ない。俺は中島さんの事可愛いって思っているよ。それから、こんな事を言うのは失礼かもしれないが、守ってあげたいとも思う」

雨宮課長の言葉に目の奥が熱くなる。

こんな事で泣いてはいけない。

そう思うけど、嬉し過ぎる。

私を可愛いとか、守ってあげたいと言ってくれる男性がいるなんて。

しかもそれが雨宮課長だなんて。

もう感動するしかない。
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