雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
奥様は久保田がいなくなったあとに、私に久保田に「からかわれた」と言っただけで、それ以上の事はどんなに聞いても教えてくれなかった。
菓子折りも受け取ってもらえなかった。
奥様の怒りは相当なようだった。
久保田にめちゃくちゃ腹が立った。
公開間近の宣伝の一番大事な時期に何をやってくれるのか。
石川町の駅で待っていた久保田ののん気な顔を見たら頭に来た。
「久保田が全部悪い! あんたなんか札幌に飛ばされてしまえばいい!」という私の言葉に対して久保田は真っ青になり、貝になったように何も喋らなくなった。だから久保田が奥様に何をしたのか未だにわからない。
その後も真っ青になったままの久保田を連れて、神保町にある望月先生の小説を出版している集学館に行き、望月先生の担当者に今回の事を謝罪して、何とか望月先生に会う機会を作って欲しいとお願いしたりで忙しかった。
会社に戻って来たのは夜9時過ぎ。
総務課のオフィスも、庶務係のデスクも誰もいない。
誰もいないオフィスを見てむなしくなる。
私は一体何をやっているんだろう。
もう宣伝部の人間じゃないのに、頭を下げて回って……。
はあっと息をついた時、デスクの上の付箋が目に入る。
菓子折りも受け取ってもらえなかった。
奥様の怒りは相当なようだった。
久保田にめちゃくちゃ腹が立った。
公開間近の宣伝の一番大事な時期に何をやってくれるのか。
石川町の駅で待っていた久保田ののん気な顔を見たら頭に来た。
「久保田が全部悪い! あんたなんか札幌に飛ばされてしまえばいい!」という私の言葉に対して久保田は真っ青になり、貝になったように何も喋らなくなった。だから久保田が奥様に何をしたのか未だにわからない。
その後も真っ青になったままの久保田を連れて、神保町にある望月先生の小説を出版している集学館に行き、望月先生の担当者に今回の事を謝罪して、何とか望月先生に会う機会を作って欲しいとお願いしたりで忙しかった。
会社に戻って来たのは夜9時過ぎ。
総務課のオフィスも、庶務係のデスクも誰もいない。
誰もいないオフィスを見てむなしくなる。
私は一体何をやっているんだろう。
もう宣伝部の人間じゃないのに、頭を下げて回って……。
はあっと息をついた時、デスクの上の付箋が目に入る。