ポケットに未練がましい恋歌を
カレンダーのポケットに、メッセージかぁ……
俺は、重いため息を吐く。
正直、俺には向いてない。
毎日必ず、何かをしなきゃいけないなんて。
そりゃ最初の頃は、カードに書きたくてたまらないひよりの可愛さが、たくさんあった。
名刺サイズのカードじゃ小さすぎて書ききれない!って、嘆いたことさえある。
だけどさ、だんだん薄れていくじゃん?
好きな子と一緒にいる時の、ドキドキなんて。
認めるよ。
付き合いはじめの頃、俺の全てが『ひより』だった。
大好きでたまらなくて、独り占めしたくて
ひよりを可愛がることが、俺にとってのステイタスだった。
バンド練習がおろそかになるくらい『ひより命!』