ポケットに未練がましい恋歌を


カレンダーのポケットに、メッセージかぁ……

俺は、重いため息を吐く。


正直、俺には向いてない。
毎日必ず、何かをしなきゃいけないなんて。


そりゃ最初の頃は、カードに書きたくてたまらないひよりの可愛さが、たくさんあった。

名刺サイズのカードじゃ小さすぎて書ききれない!って、嘆いたことさえある。


だけどさ、だんだん薄れていくじゃん?
好きな子と一緒にいる時の、ドキドキなんて。


認めるよ。
付き合いはじめの頃、俺の全てが『ひより』だった。


大好きでたまらなくて、独り占めしたくて
ひよりを可愛がることが、俺にとってのステイタスだった。

バンド練習がおろそかになるくらい『ひより命!』

< 14 / 30 >

この作品をシェア

pagetop