ポケットに未練がましい恋歌を

私は、自分で作ったひと月ごとのカレンダーを、リビングの壁にかけたんだ。

日にちの下に、ポケットをつけたもの。

「これから毎日
 お互いにメッセージを書いて、ポケットに入れようよ!」

「いいじゃん、それ!
 俺は死ぬまで毎日、ひよりへの深い愛を書き続けてみせるから!」


寝る前、ベッドに二人で横になり
ラブレターを読み合うのが日課だったね。


愛されてるって実感できる、甘トロな時間。
幸せだったよ、心から。


それなのに……

「ひよりにメッセージを書くの、やめていい?」

半年後にはカレンダーのポケットに、大弥君からのメッセージは入らなくなった。
< 4 / 30 >

この作品をシェア

pagetop