ポケットに未練がましい恋歌を
私は、自分で作ったひと月ごとのカレンダーを、リビングの壁にかけたんだ。
日にちの下に、ポケットをつけたもの。
「これから毎日
お互いにメッセージを書いて、ポケットに入れようよ!」
「いいじゃん、それ!
俺は死ぬまで毎日、ひよりへの深い愛を書き続けてみせるから!」
寝る前、ベッドに二人で横になり
ラブレターを読み合うのが日課だったね。
愛されてるって実感できる、甘トロな時間。
幸せだったよ、心から。
それなのに……
「ひよりにメッセージを書くの、やめていい?」
半年後にはカレンダーのポケットに、大弥君からのメッセージは入らなくなった。