だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
『そう、なら良かった。ああそうだ……アミィがね、作戦前に、後でいくらでも説教は受ける。と言っていたんだ』
……のも束の間、シルフ様の声が不自然な程に爽やかになりました。
これはいい事を聞きました。つまり、姫様は絶対に説教をお受けになると! のらりくらりと躱したりはしないと言う事ですね!
そうと分かった私とシルフ様は、ニコニコと微笑み合いました。
その後、お疲れでいらっしゃる姫様がお目覚めになるまでしばしこちらで用意した資料の整理を行っていました。
そして目覚めた姫様には……勿論、長時間に及ぶ説教の方をさせていただきました。途中からはシルフ様も参戦して下さり、それはもう実りある説教となった事でしょう。
…………それに。姫様はこれから何かを成される際、極力一番に私を頼ると仰って下さりました。一番、一番ですよ? うふふ……はっ、このようなだらしない顔、姫様には絶対見せられませんね。
そうやって数時間に渡る説教を終えた私は、姫様から頼み事をされたのです。
私が用意したと言う体で、こちらの帳簿をケイリオル卿に渡して欲しいと。ケイリオル卿の方も件の人身売買の調査は後一歩の所で止まっているようでしたから、これが決定打となり、罪を犯した愚かな者達は法の裁きを受ける事となるでしょう。
なので、ケイリオル卿を訪ねに城へと来た訳です。ケイリオル卿は多忙な方なので、そもそも会えるかどうかも分からないのですが……ケイリオル卿にあてられた執務室の方へと赴くと、慌ただしく人が出入りしているようでした。
どうやら今は執務室にいらっしゃるようですね。良かったです、探す手間が省けて。
人の流れに従い私も入室した所、書類の山に囲まれたケイリオル卿がいらっしゃいました。
「おや、わざわざ私の所を訪ねて来るとは……どうかしましたか?」
ケイリオル卿は布をかけた顔を上げて、そう言いました。この間も手はずっと動いている辺り、流石としか言えませんね。
「事前の連絡も無く申し訳ございません。卿にお渡ししたい物がありまして」
そう言いながら、私はケイリオル卿に帳簿を手渡しました。
その帳簿を見たケイリオル卿は「これは……」と驚きの声を漏らしていました。
「……何故これを貴女が? もしや昨夜の一件と何か関わりがあるのですか?」
「…………えぇ。私も、独自で例の件は調べておりましたので」
ケイリオル卿が問うて来たので、私はそれに微笑みで返しました。
ケイリオル卿もそれ以上は追及して来なかったので、特に難なく帳簿を渡す事に成功しました。
「成程……この帳簿はこちらで預かっても?」
「お任せ致します。ですが、これだけは約束して下さい。罪人達は徹底的に、完膚無きまでに潰すと」
決してボロが出ぬよう、私は細心の注意を払い話す。ケイリオル卿はたまにまるで心を読んだかのように話す事があります。
まぁ、そのような事はないでしょうが、彼が非常に察しと勘が良い人間である事に変わりはないでしょう。
なので、注意を払うに越したことは無いのです。
……のも束の間、シルフ様の声が不自然な程に爽やかになりました。
これはいい事を聞きました。つまり、姫様は絶対に説教をお受けになると! のらりくらりと躱したりはしないと言う事ですね!
そうと分かった私とシルフ様は、ニコニコと微笑み合いました。
その後、お疲れでいらっしゃる姫様がお目覚めになるまでしばしこちらで用意した資料の整理を行っていました。
そして目覚めた姫様には……勿論、長時間に及ぶ説教の方をさせていただきました。途中からはシルフ様も参戦して下さり、それはもう実りある説教となった事でしょう。
…………それに。姫様はこれから何かを成される際、極力一番に私を頼ると仰って下さりました。一番、一番ですよ? うふふ……はっ、このようなだらしない顔、姫様には絶対見せられませんね。
そうやって数時間に渡る説教を終えた私は、姫様から頼み事をされたのです。
私が用意したと言う体で、こちらの帳簿をケイリオル卿に渡して欲しいと。ケイリオル卿の方も件の人身売買の調査は後一歩の所で止まっているようでしたから、これが決定打となり、罪を犯した愚かな者達は法の裁きを受ける事となるでしょう。
なので、ケイリオル卿を訪ねに城へと来た訳です。ケイリオル卿は多忙な方なので、そもそも会えるかどうかも分からないのですが……ケイリオル卿にあてられた執務室の方へと赴くと、慌ただしく人が出入りしているようでした。
どうやら今は執務室にいらっしゃるようですね。良かったです、探す手間が省けて。
人の流れに従い私も入室した所、書類の山に囲まれたケイリオル卿がいらっしゃいました。
「おや、わざわざ私の所を訪ねて来るとは……どうかしましたか?」
ケイリオル卿は布をかけた顔を上げて、そう言いました。この間も手はずっと動いている辺り、流石としか言えませんね。
「事前の連絡も無く申し訳ございません。卿にお渡ししたい物がありまして」
そう言いながら、私はケイリオル卿に帳簿を手渡しました。
その帳簿を見たケイリオル卿は「これは……」と驚きの声を漏らしていました。
「……何故これを貴女が? もしや昨夜の一件と何か関わりがあるのですか?」
「…………えぇ。私も、独自で例の件は調べておりましたので」
ケイリオル卿が問うて来たので、私はそれに微笑みで返しました。
ケイリオル卿もそれ以上は追及して来なかったので、特に難なく帳簿を渡す事に成功しました。
「成程……この帳簿はこちらで預かっても?」
「お任せ致します。ですが、これだけは約束して下さい。罪人達は徹底的に、完膚無きまでに潰すと」
決してボロが出ぬよう、私は細心の注意を払い話す。ケイリオル卿はたまにまるで心を読んだかのように話す事があります。
まぁ、そのような事はないでしょうが、彼が非常に察しと勘が良い人間である事に変わりはないでしょう。
なので、注意を払うに越したことは無いのです。