だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「やっぱり属性の剥奪を行うと魔力炉が正常に機能しなくなるな……別の属性を与えた場合、魔力炉は機能するようになるのか? 早速試さねば!!」
「何度も言うが、殺すなよ」
「御意《オーケイ》! 彼等の死の運命さえも奪ってみせるさ!」
恍惚とした表情のルーディは、アミィを傷つけた男達で人体実験を行う。
最初は魔力中毒による男達の呻き声が耳障りだったのだが……ルーディがあいつ等の声を奪ったようで、今はもう何も聞こえない。
だがまぁ、男達が苦悶の表情を浮かべのたうち回っている事から、現在も実験の影響はかなりあるようだ。
「ふむふむふむ……別属性を強制的に刻んだ場合、拒否反応から強い魔力中毒と魔力暴走を起こしてしまうのか。やっぱり最初から刻まれてる属性じゃあないと魔力炉が正常には稼働しないのか。嗚呼、つまんねー」
今にも死んでしまいそうなぐらいもがき苦しむ男達。それをまじまじと眺めては退屈そうにため息をつくルーディ。
だがこれでもまだ男達が死んでいないと言う事は、確かにルーディが男達を死なないようにしてしまっているのだろう。
本当に便利なものだな、奪の権能は。ボクの権能よりもずっと実用的で……羨ましい。
「……マイ・ロード。他に罪人はいないかい? もっと実験を……」
「……まぁ、罪人が現れたらまた呼んであげるよ」
「その日を今か今かと待ち侘びておくよ!」
狂った笑顔を作りルーディが精霊界へと戻っていく。本当に実験が好きなんだな……人体実験を八百年間禁止してたの間違いだったか? 反動でルーディの実験したい欲が爆発しているようだ。
ルーディを見送った後、ボクも地下監獄を後にした。
叶うならばボクがこの手で罰を与えたかったけど……例の如く制約に阻まれるのでそれは叶わない。
だがまぁ、ああしてあいつ等が苦しむ姿を見られたのだし、罰も与えられた。ならばもう言うべき事は無い。
あの男達は次に人間の罰を受ける。それでもう十分だ。
「…………」
ピタリ、と四足歩行の猫が足を止める。ボクの頭は十分だと思っているつもりなのだが、心と体はそうでも無いらしい。
先程の檻の前まで駆け戻る。声も魔力も取り戻し、騒々しく苦悶に喘ぐ男達に向けて、ボクは告げた。
「──ねぇ、やっぱり死んでくれない?」
今のボクは、権能も大した魔法も使えない。だが……魔力原子を操る事ぐらいならば、簡単に出来てしまう。
殺すつもりは無かったし、ただ罰を与え苦しめるだけで終わらせるつもりだった。
でも……どうしてもボクが自分でこの男達を始末したくなった。アミィに傷を負わせたこの愚か者達を許せなかった。
制約に抵触するかしないかのギリギリのラインで、ボクは男達を殺した。檻の中の魔力原子を消滅させ、生命維持を不可能にしたのだ。
結果、男達は見るも無惨に苦しみながら死に絶えた。
今度こそ、ボクはアミィの元へと戻った。静かに寝息を立てるアミィに近づき、その傍で体を丸めて猫は眠りにつく。
そして本体であるボクもまた、一息つく事にした。お気に入りの紅茶をカップに注ぎ、背もたれに体を預けて紅茶に喉を鳴らす。
…………おかしいな。あの男達を殺せば、きっと少しは心が晴れると思っていたのだけど。全然、変わりないな。
「何度も言うが、殺すなよ」
「御意《オーケイ》! 彼等の死の運命さえも奪ってみせるさ!」
恍惚とした表情のルーディは、アミィを傷つけた男達で人体実験を行う。
最初は魔力中毒による男達の呻き声が耳障りだったのだが……ルーディがあいつ等の声を奪ったようで、今はもう何も聞こえない。
だがまぁ、男達が苦悶の表情を浮かべのたうち回っている事から、現在も実験の影響はかなりあるようだ。
「ふむふむふむ……別属性を強制的に刻んだ場合、拒否反応から強い魔力中毒と魔力暴走を起こしてしまうのか。やっぱり最初から刻まれてる属性じゃあないと魔力炉が正常には稼働しないのか。嗚呼、つまんねー」
今にも死んでしまいそうなぐらいもがき苦しむ男達。それをまじまじと眺めては退屈そうにため息をつくルーディ。
だがこれでもまだ男達が死んでいないと言う事は、確かにルーディが男達を死なないようにしてしまっているのだろう。
本当に便利なものだな、奪の権能は。ボクの権能よりもずっと実用的で……羨ましい。
「……マイ・ロード。他に罪人はいないかい? もっと実験を……」
「……まぁ、罪人が現れたらまた呼んであげるよ」
「その日を今か今かと待ち侘びておくよ!」
狂った笑顔を作りルーディが精霊界へと戻っていく。本当に実験が好きなんだな……人体実験を八百年間禁止してたの間違いだったか? 反動でルーディの実験したい欲が爆発しているようだ。
ルーディを見送った後、ボクも地下監獄を後にした。
叶うならばボクがこの手で罰を与えたかったけど……例の如く制約に阻まれるのでそれは叶わない。
だがまぁ、ああしてあいつ等が苦しむ姿を見られたのだし、罰も与えられた。ならばもう言うべき事は無い。
あの男達は次に人間の罰を受ける。それでもう十分だ。
「…………」
ピタリ、と四足歩行の猫が足を止める。ボクの頭は十分だと思っているつもりなのだが、心と体はそうでも無いらしい。
先程の檻の前まで駆け戻る。声も魔力も取り戻し、騒々しく苦悶に喘ぐ男達に向けて、ボクは告げた。
「──ねぇ、やっぱり死んでくれない?」
今のボクは、権能も大した魔法も使えない。だが……魔力原子を操る事ぐらいならば、簡単に出来てしまう。
殺すつもりは無かったし、ただ罰を与え苦しめるだけで終わらせるつもりだった。
でも……どうしてもボクが自分でこの男達を始末したくなった。アミィに傷を負わせたこの愚か者達を許せなかった。
制約に抵触するかしないかのギリギリのラインで、ボクは男達を殺した。檻の中の魔力原子を消滅させ、生命維持を不可能にしたのだ。
結果、男達は見るも無惨に苦しみながら死に絶えた。
今度こそ、ボクはアミィの元へと戻った。静かに寝息を立てるアミィに近づき、その傍で体を丸めて猫は眠りにつく。
そして本体であるボクもまた、一息つく事にした。お気に入りの紅茶をカップに注ぎ、背もたれに体を預けて紅茶に喉を鳴らす。
…………おかしいな。あの男達を殺せば、きっと少しは心が晴れると思っていたのだけど。全然、変わりないな。