だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
 まず一作目ね。一作目の攻略対象は隠し攻略対象とかも無く最初から五人で確定していた。
 一人目はスパダリ枠。ハミルディーヒ王国の第四王子、チートオブチートなカイル・ディ・ハミル。
 二人目はヤンデレ枠。ヒロインのミシェルちゃんの幼なじみ、ヤンデレサイコワンちゃんのロイ。
 三人目はクーデレ枠。最後の吸血鬼であり純血の血筋より生まれた混血《ハーフ》、辺境伯のアンヘル・デリアルド。
 四人目はメンヘラ枠。誰よりも帝国を憎む愛を知らないエルフ、めんどくせぇ男セインカラッド・サンカル。
 五人目は悲恋枠。一作目の攻略対象のうち唯一の帝国側の人間、スパイのサラ。
 これらが一作目の攻略対象であり、彼等は二作目でも引き続き攻略対象となる。しかし二作目ではこの五人に加えて更に三人、攻略対象が増えるのだ。
 一人目はまさかの溺愛枠。皆様ご存知冷酷無比なる帝国の次期皇帝、氷結の貴公子フリードル・ヘル・フォーロイト。
 二人目は両片想い枠。誰よりも甘酸っぱくもどかしい恋をした男、オセロマイト王国第二王子マクベスタ・オセロマイト。
 三人目は共依存枠。人らしい生き方を知らない不老不死の青年、国教会が誇る人類最強の聖人ミカリア・ディア・ラ・セイレーン。
 とても濃い。癖が強いのだ、追加組は。
 さて、この三名が攻略対象として新たに追加されて計八名を攻略出来るのが二作目の特徴なのだが……まだ仮定でしか無いが、この世界は二作目の世界のようなのだ。

 えー、実はですね。改めて思い返すと……二作目に存在する全ルートのうち、六つのルートでアミレスって死ぬんですよね〜!
 マジでふざけんなよ公式、お前らなんでそんなにアミレス嫌いなんだよ意味わかんねぇ。……いや、むしろ好きなのか? 好きだから殺しまくってんのか?
 好きな子を虐める小学生男子かな??
 いやそれはともかくだ。一体誰のルートでどう殺されるのかと言うと。
 まずフリードルのルートではミシェルちゃんと結ばれた後、邪魔だからとフリードルに斬殺される。
 マクベスタのルートでは謎の事故で死ぬ。
 ミカリアのルートでは帝国によるミシェルちゃんの誘拐が発生し、ミシェルちゃんを奪った帝国への復讐劇が幕を開け、割と無関係なアミレスも惨殺の後十字架に磔にされる。
 サラのルートでは皇帝からの勅命で、サラの手によりアミレスが暗殺される。
 アンヘルとカイルのルートでは、それぞれがミシェルちゃんと結ばれそれにより帝国がミシェルちゃんに手出しが出来なくなった事から、アミレスにその責任が問われ斬首に処される。
 ……本当に意味がわからない。アミレスへのヘイトが高すぎるのよ。
 ミシェルちゃんが果たしてどのルートに進むかわからないが……どこのルートに行くかによって私の生存難易度が格段に変わってしまう。
 理想的なのは、二作目のシナリオではアミレスの死亡描写が無いロイかセインカラッドなんだけど……まぁ確率で言えば難しいわね。
 この世界の中心のミシェルちゃんがどう生きるかによって全てが決まってしまう。私がどれだけ対策しようと意味は無いのかもしれない……だが、それでもやれる限りの事をやっておきたい。
< 182 / 1,399 >

この作品をシェア

pagetop