だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
『お前等、これからはここに住め。俺達の仲間になれよ』
俺達は満場一致でこの結論に至った。二人は俺達の提案を受け入れ、ここに住む事になった。
バドールが鋼の魔力とやらで腕を鋼にし、ジェジとユーキに着けられていた石の枷を殴って壊した。そしてボロボロの服の代わりに俺達が前に着ていたお古を渡し、それを着てもらう事にした。
ジェジは体が小さいし、ユーキは細いから俺とバドールの服でほとんど問題なかった。
ただ、ズボンを履くにあたってジェジの尻尾をどうするかという問題が発生した。それはズボンの後ろ側に穴を空ける事で解決した。
この街は何かと訳ありな奴が多いから、ジェジとユーキの事もすぐに受け入れられた。
更に……強くなろうと自己流で鍛えていた俺達にジェジが簡単な戦い方を、ユーキが魔力の扱い方を教えてくれた。
二人共俺達より幼いのに……それぞれが故郷にいた頃に教わっていた事を俺達にも教えてくれたのだ。
おかげで俺達はもっと強くなれると夜通し喜んだものだ。
そのまた一年後。これはイリオーデだったな。
ドブ掃除をして稼いだ金で街の外の西部通りで皆の飯を買った帰り、街のろくでもねぇ大人達に囲まれているガキを見つけた。
一緒にいたユーキとラークと共に、とりあえずガキを助けるかって決めて、俺達は貴重な実戦の機会だと腕を回しながらろくでもねぇ大人達に向かって行った。
結果は上々。俺達は無事にろくでもねぇ大人達を撃退出来た。
そうして大人達を撃退した俺達は、それに囲まれていたイリオーデに大丈夫かと声をかけた。
イリオーデは、俺達に無機質な瞳を向けて言った。
『……ありがとう、助かった』
手入れが行き届いてそうな綺麗な青い髪。この街には不似合いな上質な服。どこからどう見ても貴族のガキって感じの……浮いて見える存在だった。
何でこんな奴がこの街に? と俺が不審に思っていた所、ラークがイリオーデの手を見て口を切ったのだ。
『ねぇ、君、手を怪我してるじゃないか。早く手当しないと悪化してしまうよ』
『……怪我してたのか。気づかなかった』
ラークに指摘されて初めて怪我に気づいたらしく、イリオーデは血が滴る自分の左手を興味無さげに見つめていた。
俺は何となく察した。このまま放っておくと、こいつは絶対に怪我の治療をしない。それに、貴族のガキがどうしてこんな所にいるのかも分からない以上、そっちの意味でも放ってはおけなかった。
だから俺達はイリオーデを無理やり家まで連れて行った。こいつは誰だと眉尻を上げるクラリスに、俺達も知らんと返しながら手当の準備をする。
ラークが手当をしている間も、イリオーデは一切抗う事無く大人しくしていた。そしてラークによる手当が終わり、俺達はイリオーデに色々と事情を聞く事にした。
事情を話せと言うと、イリオーデは大人しく身の上を語り始めた。
俺達は満場一致でこの結論に至った。二人は俺達の提案を受け入れ、ここに住む事になった。
バドールが鋼の魔力とやらで腕を鋼にし、ジェジとユーキに着けられていた石の枷を殴って壊した。そしてボロボロの服の代わりに俺達が前に着ていたお古を渡し、それを着てもらう事にした。
ジェジは体が小さいし、ユーキは細いから俺とバドールの服でほとんど問題なかった。
ただ、ズボンを履くにあたってジェジの尻尾をどうするかという問題が発生した。それはズボンの後ろ側に穴を空ける事で解決した。
この街は何かと訳ありな奴が多いから、ジェジとユーキの事もすぐに受け入れられた。
更に……強くなろうと自己流で鍛えていた俺達にジェジが簡単な戦い方を、ユーキが魔力の扱い方を教えてくれた。
二人共俺達より幼いのに……それぞれが故郷にいた頃に教わっていた事を俺達にも教えてくれたのだ。
おかげで俺達はもっと強くなれると夜通し喜んだものだ。
そのまた一年後。これはイリオーデだったな。
ドブ掃除をして稼いだ金で街の外の西部通りで皆の飯を買った帰り、街のろくでもねぇ大人達に囲まれているガキを見つけた。
一緒にいたユーキとラークと共に、とりあえずガキを助けるかって決めて、俺達は貴重な実戦の機会だと腕を回しながらろくでもねぇ大人達に向かって行った。
結果は上々。俺達は無事にろくでもねぇ大人達を撃退出来た。
そうして大人達を撃退した俺達は、それに囲まれていたイリオーデに大丈夫かと声をかけた。
イリオーデは、俺達に無機質な瞳を向けて言った。
『……ありがとう、助かった』
手入れが行き届いてそうな綺麗な青い髪。この街には不似合いな上質な服。どこからどう見ても貴族のガキって感じの……浮いて見える存在だった。
何でこんな奴がこの街に? と俺が不審に思っていた所、ラークがイリオーデの手を見て口を切ったのだ。
『ねぇ、君、手を怪我してるじゃないか。早く手当しないと悪化してしまうよ』
『……怪我してたのか。気づかなかった』
ラークに指摘されて初めて怪我に気づいたらしく、イリオーデは血が滴る自分の左手を興味無さげに見つめていた。
俺は何となく察した。このまま放っておくと、こいつは絶対に怪我の治療をしない。それに、貴族のガキがどうしてこんな所にいるのかも分からない以上、そっちの意味でも放ってはおけなかった。
だから俺達はイリオーデを無理やり家まで連れて行った。こいつは誰だと眉尻を上げるクラリスに、俺達も知らんと返しながら手当の準備をする。
ラークが手当をしている間も、イリオーデは一切抗う事無く大人しくしていた。そしてラークによる手当が終わり、俺達はイリオーデに色々と事情を聞く事にした。
事情を話せと言うと、イリオーデは大人しく身の上を語り始めた。