だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜

54.俺は理由を知った。

 あの一件の後、警備隊と協力して夜通しガキ共を家まで送ったりする事約一日。ある程度家まで送ってやれたんだが、中には親に売られたガキや孤児のガキもいて……そいつ等には帰る家が無いと問題になった。
 警備隊の方でも、勿論俺達の方でもどこかガキ共を受け入れてくれそうな施設は無いかと探す事になった。
 ……が、あの件の二日後。俺達は全員まるで死んだように休んでいた。
 何せ昨日一昨日だけで久々の実戦に帝都を東奔西走、ガキ共のお守りやらなんやらと色々あったのだ。
 しかも徹夜。流石に俺達も疲れたのだ。
 なのでひとまず一日だけ休んでまた明日から情報集めに勤しもうと決めた俺達は、とにかくぐうたらしていた。
 そうやって家でゴロゴロしていた所、エリニティがどこからか摘んで来た花の花びらをぶつぶつ呟きながらちぎり始めた。
 しばらくは無視していたんだが、あまりにも長い間数本の花を犠牲にし続け俺の家を散らかしていた為、流石に放置出来なくなった。
 上体を起こし、エリニティに尋ねる。

「エリニティ、お前何やってんだ?」
「……花占い。女の子達の間で流行ってるんだって。運命、必然、運命、必然……」

 エリニティは赤い花びらを次々地面に落としていく。そして花びらが最後の一枚になった時、エリニティの顔が喜びに染まった。
 そして、瞳を輝かせてエリニティは天を仰いで叫んだ。

「〜〜ぃよっしゃああああああああ! これはやっぱり運命なんだぁああああああああっ!!」
「っ?!」

 赤い花を大事そうに抱きしめながら、エリニティはその場で舞い踊っていた。
 え、何こいつ怖……急にどうしたんだよお前……ってまてよ、運命つったら……。
 ある事を思い出した俺はハッと息を呑んだ。
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