だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「……ただ、今はまだ私の下にいた所でなんの名誉も得られません。私は出来損ないの野蛮王女ですし。でもいつか必ず貴方達の主として相応しい人間になるから。私を信じてくれた貴方達を裏切らないよう、努力するから」
殿下はそう言いながらあの夜のように手を差し伸べてきた。あの時は藁にもすがる思いであの手を取った。無謀なガキの力になる為と言う建前で、そのガキを利用した。
だけど今は……信頼と期待だけで、俺はこの小さな手を取った。
あの時のような利用しようなんて気持ちも、心配や不安と言った気持ちも今は無い。
俺達みたいなのが王女殿下の私兵なんて畏れ多い話ではあるが、当の本人が俺達をご所望なんだ。ありがたく、この話を受けさせてもらおう。
そして……死にたくないと願う少女が幸せになれるように、その道程を守り整えよう。こんな俺に出来るこたぁ、そんぐれぇだしな。
そうやって固く握手を交わした直後。金髪のガキ……じゃなくて、マクベスタ王子の提案で俺達は実力を確かめる試験を受ける事になった。
相手はマクベスタ王子ただ一人で、なんと俺達は連携して戦ってもいいと言われてしまった。確かに普段の鍛錬の影響で集団戦闘の方が慣れているが……だとしても随分と舐められたもんだな。と俺達は少し頭に来てしまった。
だがしかし、いざ試験が始まれば……マクベスタ王子の無双状態だった。俺達の攻撃などマクベスタ王子には全く効かず、全て躱されるかいなされる。
俺達の数の有利をあっという間に崩して、マクベスタ王子は圧勝したのだ。……しかも、剣ではなく鞘のみの使用でだ。
相手が隣国の王子だからと俺達も少しは躊躇いがあったが、それでも出せる限りの本気を出していた…それなのにこのザマだ。
あの王子何者なんだ…………? うちの皇太子殿下も皇帝陛下譲りで剣と魔法に優れているっつぅ話だが……王子ってのはどいつもこいつも強いモンなのか?
見事完敗した俺達だったが、マクベスタ王子的にはこれは合格判定らしく……無事に実力も認められ、俺達は殿下の私兵として雇われる事になった。
その後、有言実行の殿下により例の報酬とやらが渡された。その際、いくら欲しいかと聞かれた俺達はしばし相談し、その結果氷金貨五枚と言う大金を要求してしまった。
だが相手は我が国の王女殿下。氷金貨五枚をあっさりと渡して来たのだ。
机の上に置かれた五枚の金貨を前に、俺達は固唾を飲みながら殿下の話を聞いていた。
日が暮れ始めた頃に、ある程度話し終えた殿下達が貧民街を後にして……俺達はようやく落ち着く事が出来た。
いや本当に、何かと気が気でない一日だったのだ。
殿下はそう言いながらあの夜のように手を差し伸べてきた。あの時は藁にもすがる思いであの手を取った。無謀なガキの力になる為と言う建前で、そのガキを利用した。
だけど今は……信頼と期待だけで、俺はこの小さな手を取った。
あの時のような利用しようなんて気持ちも、心配や不安と言った気持ちも今は無い。
俺達みたいなのが王女殿下の私兵なんて畏れ多い話ではあるが、当の本人が俺達をご所望なんだ。ありがたく、この話を受けさせてもらおう。
そして……死にたくないと願う少女が幸せになれるように、その道程を守り整えよう。こんな俺に出来るこたぁ、そんぐれぇだしな。
そうやって固く握手を交わした直後。金髪のガキ……じゃなくて、マクベスタ王子の提案で俺達は実力を確かめる試験を受ける事になった。
相手はマクベスタ王子ただ一人で、なんと俺達は連携して戦ってもいいと言われてしまった。確かに普段の鍛錬の影響で集団戦闘の方が慣れているが……だとしても随分と舐められたもんだな。と俺達は少し頭に来てしまった。
だがしかし、いざ試験が始まれば……マクベスタ王子の無双状態だった。俺達の攻撃などマクベスタ王子には全く効かず、全て躱されるかいなされる。
俺達の数の有利をあっという間に崩して、マクベスタ王子は圧勝したのだ。……しかも、剣ではなく鞘のみの使用でだ。
相手が隣国の王子だからと俺達も少しは躊躇いがあったが、それでも出せる限りの本気を出していた…それなのにこのザマだ。
あの王子何者なんだ…………? うちの皇太子殿下も皇帝陛下譲りで剣と魔法に優れているっつぅ話だが……王子ってのはどいつもこいつも強いモンなのか?
見事完敗した俺達だったが、マクベスタ王子的にはこれは合格判定らしく……無事に実力も認められ、俺達は殿下の私兵として雇われる事になった。
その後、有言実行の殿下により例の報酬とやらが渡された。その際、いくら欲しいかと聞かれた俺達はしばし相談し、その結果氷金貨五枚と言う大金を要求してしまった。
だが相手は我が国の王女殿下。氷金貨五枚をあっさりと渡して来たのだ。
机の上に置かれた五枚の金貨を前に、俺達は固唾を飲みながら殿下の話を聞いていた。
日が暮れ始めた頃に、ある程度話し終えた殿下達が貧民街を後にして……俺達はようやく落ち着く事が出来た。
いや本当に、何かと気が気でない一日だったのだ。