だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「……っはぁ……シャンパージュ伯爵邸ですよ。あそこの令嬢と親しくなったので。これでもういいでしょう、早く手を離して下さい」
フリードルの表情が固まったまま体諸共動かなくなったので、私はもう自ら手を振り解いた。ようやくフリードルから逃れる事が出来た私は早足でその場を後にする。
さて、とりあえず私がこれから向かうのはいつもの特訓場だ。私の特訓は終わったものの、マクベスタがエンヴィーさんと自主練をしている筈なので、どちらかに一緒に外出して貰おうかと思っている。
ハイラさんに頼むべきなんだろうけど、今彼女はシュヴァルツへの使用人教育で忙しくそんな事を頼める状態じゃない。
シルフはどうしても外せない用事があるとかで、今日は猫シルフも私の傍におらず……正真正銘一人だったのだ。
だからこそやる事も無く、そうだ伯爵邸に行こう。なんて結論に至ったのだけども。
皇宮から出て、人気のない場所へと向かう。次第に剣と剣が激しくぶつかり合う音が聞こえて来て……。
「……やっぱりすごいなぁ、マクベスタは……」
あのエンヴィーさんと接戦を繰り広げるマクベスタを見て、やはり攻略対象は凄まじいと、私は改めて感心した。
黄土色に近い金髪を揺らし、マクベスタは剣を振るう。しかしエンヴィーさんが赤く長い三つ編みと中華服の裾を風に預けるかのように靡かせ、まるで舞踏かのようにそれらを避ける。
見ていて惚れ惚れするような戦いだった。しばらくぼーっとしながらわたしがそれに見入っていた所、途中でエンヴィーさんがこちらに気づいて、気の良さそうな笑みを作り手招いてきた。
それに従い近づくと、エンヴィーさんが簡潔に要件を聞いて来た。
フリードルの表情が固まったまま体諸共動かなくなったので、私はもう自ら手を振り解いた。ようやくフリードルから逃れる事が出来た私は早足でその場を後にする。
さて、とりあえず私がこれから向かうのはいつもの特訓場だ。私の特訓は終わったものの、マクベスタがエンヴィーさんと自主練をしている筈なので、どちらかに一緒に外出して貰おうかと思っている。
ハイラさんに頼むべきなんだろうけど、今彼女はシュヴァルツへの使用人教育で忙しくそんな事を頼める状態じゃない。
シルフはどうしても外せない用事があるとかで、今日は猫シルフも私の傍におらず……正真正銘一人だったのだ。
だからこそやる事も無く、そうだ伯爵邸に行こう。なんて結論に至ったのだけども。
皇宮から出て、人気のない場所へと向かう。次第に剣と剣が激しくぶつかり合う音が聞こえて来て……。
「……やっぱりすごいなぁ、マクベスタは……」
あのエンヴィーさんと接戦を繰り広げるマクベスタを見て、やはり攻略対象は凄まじいと、私は改めて感心した。
黄土色に近い金髪を揺らし、マクベスタは剣を振るう。しかしエンヴィーさんが赤く長い三つ編みと中華服の裾を風に預けるかのように靡かせ、まるで舞踏かのようにそれらを避ける。
見ていて惚れ惚れするような戦いだった。しばらくぼーっとしながらわたしがそれに見入っていた所、途中でエンヴィーさんがこちらに気づいて、気の良さそうな笑みを作り手招いてきた。
それに従い近づくと、エンヴィーさんが簡潔に要件を聞いて来た。