だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
70.白亜の都市の侵入者3
そしてエンヴィーは大聖堂の地下にある霊廟へと辿り着く。荘厳な雰囲気の空間で、エンヴィーは辺りを見渡しながら立ち止まった。
(姫さんが言うにはここの更に奥にその聖人とやらの部屋があるっつぅ話だが……ねぇな、部屋なんて)
この空間の出入口は来た道一つだけ。その出入口も今や追手が騒がしいと言う理由だけで、業火の柱により塞がれている。
窓すら無いこの空間の更に奥に本当に部屋があるのか……そう、エンヴィーは思案した。
だがしかし、エンヴィーは考えを改める。
(まぁ、あの姫さんがあるって言ったのならあるんだろう。とにかく壁を破壊してけばその内隠し通路とか出てくるだろ)
エンヴィーはアミレスの発言を疑わなかった。アミレスの発言を信じて、エンヴィーは勢い良く近くの壁をぶん殴った。
何度も何度も四方の壁を殴り、いたる所を陥没させた。
壁にはクレーターのような跡が多く作られ、床にはその破片が散らばる。
歴代の枢機卿や大司教が祀られる荘厳な雰囲気の霊廟は、たったヒトリの男により瞬く間に荒らされてしまったのだ。
「おっかしーなァ……周囲に隠し通路的なモンはねぇ……いや、そうか。魔法で隠蔽してんのか」
エンヴィーは部屋をもう一度ぐるりと見渡して思考し、そしてハッとしたように何かに気がついた。
彼の推測は正しかった。確かにこの部屋には隠し通路があるのだが、それは周囲には無かった。
何せ隠し通路があるのは壁沿いのどこかではなく──
「あそこか」
──足元、なのだから。
彼が視線を向けた先……それは霊廟の中心にして、多くの人々の骨が納められた納骨棺《のうこつかん》があった。
エンヴィーが納骨棺《のうこつかん》に向かっておもむろに歩き出す。
その棺からは夥しい程の魔力が溢れ出ており、それはエンヴィーの勘を鈍らせるにまで至った。その為この空間に足を踏み入れたばかりの時は気づけず、こうして冷静に考えてようやく気づけたのだ。
そして彼が納骨棺《のうこつかん》に触れようとしたその瞬間。あの火柱を越えて、何者かがこの空間に侵入して来たのだ。
(姫さんが言うにはここの更に奥にその聖人とやらの部屋があるっつぅ話だが……ねぇな、部屋なんて)
この空間の出入口は来た道一つだけ。その出入口も今や追手が騒がしいと言う理由だけで、業火の柱により塞がれている。
窓すら無いこの空間の更に奥に本当に部屋があるのか……そう、エンヴィーは思案した。
だがしかし、エンヴィーは考えを改める。
(まぁ、あの姫さんがあるって言ったのならあるんだろう。とにかく壁を破壊してけばその内隠し通路とか出てくるだろ)
エンヴィーはアミレスの発言を疑わなかった。アミレスの発言を信じて、エンヴィーは勢い良く近くの壁をぶん殴った。
何度も何度も四方の壁を殴り、いたる所を陥没させた。
壁にはクレーターのような跡が多く作られ、床にはその破片が散らばる。
歴代の枢機卿や大司教が祀られる荘厳な雰囲気の霊廟は、たったヒトリの男により瞬く間に荒らされてしまったのだ。
「おっかしーなァ……周囲に隠し通路的なモンはねぇ……いや、そうか。魔法で隠蔽してんのか」
エンヴィーは部屋をもう一度ぐるりと見渡して思考し、そしてハッとしたように何かに気がついた。
彼の推測は正しかった。確かにこの部屋には隠し通路があるのだが、それは周囲には無かった。
何せ隠し通路があるのは壁沿いのどこかではなく──
「あそこか」
──足元、なのだから。
彼が視線を向けた先……それは霊廟の中心にして、多くの人々の骨が納められた納骨棺《のうこつかん》があった。
エンヴィーが納骨棺《のうこつかん》に向かっておもむろに歩き出す。
その棺からは夥しい程の魔力が溢れ出ており、それはエンヴィーの勘を鈍らせるにまで至った。その為この空間に足を踏み入れたばかりの時は気づけず、こうして冷静に考えてようやく気づけたのだ。
そして彼が納骨棺《のうこつかん》に触れようとしたその瞬間。あの火柱を越えて、何者かがこの空間に侵入して来たのだ。