だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「もう一回……!」
そうやって、めげずに何度も何度も額縁を振り回す。額縁が重いからか疲れてすぐに体力は底を尽き、息が上がる。回転しすぎた事もあって頭がぐらぐらする。だが、諦めない。
もし本当にこの体の幼女が軟禁されているのだとしたら……誰かに見つかってしまえば、きっと、この世界を知る事も楽しむ事も出来なくなってしまう。
それだけは嫌だ。せっかくの異世界転生なのに、そんな退屈な始まりは嫌だ。……その思いが私を突き動かす。
「うぉりゃっ!」
もう何度目かも分からない挑戦。扉に少しずつ増えていく傷に、次こそはと希望を抱いて額縁をぶつける。
するとその時、窓の外から花火のような音が聞こえて来て──それと同時に、扉が粉々に砕け散った。
突然として劇的な変化を見せた扉に驚きつつも、まぁ、異世界だし、そういう事もあるか。と雑に自分を納得させてゆっくりと部屋を出る……前に、くるりと振り返り机の引き出し等を漁って紙とインクとペンを見つけ、それに出発地点としてバツ印を記しておく。
やはり地図作りは大事だもの。この建物の構造や得た情報をまとめる為にこれを持っていきましょう。下敷き代わりに大きめの本も持って……良し!
よく分からない事もあったけど、ついに私はこの世界に一歩足を踏み入れる事が出来るのだ。疲労さえもどうでも良くなるぐらい鼓動が高鳴り、ワクワクしながら壊れた扉をくぐる。
扉が砕け散った際に舞った埃が外からの光を受けているだけなのに、キラキラな粒子のように輝いて見える。きっと……それだけ私は興奮しているのだ。
そうして、私はついに部屋を出た。
右を見ても左を見ても廊下が続いていて、その壁には惚れ惚れする程の絢爛豪華な装飾が施されており、汚れ一つない花瓶や何かの像が等間隔に置かれている。
高い天井に届く程大きな窓から、遠い外の景色が見える。青空に光の花々が咲き、人々のざわめきがかすかに聞こえてくる。もしかしたら、外で何かお祭りをしているのかもしれない。
「……やっぱりこの幼女……貴族だろうなぁ」
大きな嘆息と共に呟く。さっきの軟禁部屋の広さといい、廊下の広さといい庶民の家のものでは無い。服だってそうだ。知識のない私でも分かるぐらいとても上等な服……こんなのを見てしまえば、誰だってそう考える。
「だとしたらおかしいわよね。これだけ広い建物で、ここが中世西洋文化の世界だとするならば、使用人とかがいてもいいと思うんだけど。あれだけ暴れてたのに誰も来なかったのはおかしくないかしら。まぁ、誰も来なくて助かったけれども」
不自然な程人っ子一人いない廊下を歩きながら、私はぶつぶつと独り言を呟く。勿論、地図を記しながらだ。
こんな広い建物なのだから当然だが、道中でいくつも扉を見掛けた。どんな部屋なんだろうと思い、ドアノブに手をかけたが……例のごとく全て鍵がかかっていて泣く泣く探索を諦めた。
こういう時謎解きゲームや脱出ゲームだったなら…その辺を適当に調べていれば鍵が出てくるのだろうけど、流石にそんな事は無かった。
そうやって、時にはしゃぎ時に項垂れつつも私は地図を記し進んで行く。
そうやって、めげずに何度も何度も額縁を振り回す。額縁が重いからか疲れてすぐに体力は底を尽き、息が上がる。回転しすぎた事もあって頭がぐらぐらする。だが、諦めない。
もし本当にこの体の幼女が軟禁されているのだとしたら……誰かに見つかってしまえば、きっと、この世界を知る事も楽しむ事も出来なくなってしまう。
それだけは嫌だ。せっかくの異世界転生なのに、そんな退屈な始まりは嫌だ。……その思いが私を突き動かす。
「うぉりゃっ!」
もう何度目かも分からない挑戦。扉に少しずつ増えていく傷に、次こそはと希望を抱いて額縁をぶつける。
するとその時、窓の外から花火のような音が聞こえて来て──それと同時に、扉が粉々に砕け散った。
突然として劇的な変化を見せた扉に驚きつつも、まぁ、異世界だし、そういう事もあるか。と雑に自分を納得させてゆっくりと部屋を出る……前に、くるりと振り返り机の引き出し等を漁って紙とインクとペンを見つけ、それに出発地点としてバツ印を記しておく。
やはり地図作りは大事だもの。この建物の構造や得た情報をまとめる為にこれを持っていきましょう。下敷き代わりに大きめの本も持って……良し!
よく分からない事もあったけど、ついに私はこの世界に一歩足を踏み入れる事が出来るのだ。疲労さえもどうでも良くなるぐらい鼓動が高鳴り、ワクワクしながら壊れた扉をくぐる。
扉が砕け散った際に舞った埃が外からの光を受けているだけなのに、キラキラな粒子のように輝いて見える。きっと……それだけ私は興奮しているのだ。
そうして、私はついに部屋を出た。
右を見ても左を見ても廊下が続いていて、その壁には惚れ惚れする程の絢爛豪華な装飾が施されており、汚れ一つない花瓶や何かの像が等間隔に置かれている。
高い天井に届く程大きな窓から、遠い外の景色が見える。青空に光の花々が咲き、人々のざわめきがかすかに聞こえてくる。もしかしたら、外で何かお祭りをしているのかもしれない。
「……やっぱりこの幼女……貴族だろうなぁ」
大きな嘆息と共に呟く。さっきの軟禁部屋の広さといい、廊下の広さといい庶民の家のものでは無い。服だってそうだ。知識のない私でも分かるぐらいとても上等な服……こんなのを見てしまえば、誰だってそう考える。
「だとしたらおかしいわよね。これだけ広い建物で、ここが中世西洋文化の世界だとするならば、使用人とかがいてもいいと思うんだけど。あれだけ暴れてたのに誰も来なかったのはおかしくないかしら。まぁ、誰も来なくて助かったけれども」
不自然な程人っ子一人いない廊下を歩きながら、私はぶつぶつと独り言を呟く。勿論、地図を記しながらだ。
こんな広い建物なのだから当然だが、道中でいくつも扉を見掛けた。どんな部屋なんだろうと思い、ドアノブに手をかけたが……例のごとく全て鍵がかかっていて泣く泣く探索を諦めた。
こういう時謎解きゲームや脱出ゲームだったなら…その辺を適当に調べていれば鍵が出てくるのだろうけど、流石にそんな事は無かった。
そうやって、時にはしゃぎ時に項垂れつつも私は地図を記し進んで行く。