だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
78.束の間の休息5
「お前……ようやく理解したのか、遅せぇな。最初から言ってたろオレサマは偉大なる悪魔だって」
いやいやいや、突然人の夢に不法侵入した奴を偉大なる悪魔とか思えないから! てか偉大なる悪魔なら何でそんなに妙に馴れ馴れしくて妙にフレンドリーで妙に気さくなのよ! 偉大なる悪魔の威厳とか無いのかしら!?
と、私は慌てて捲し立てる。すると悪魔はあっけらかんとして答えた。
「威厳……? まぁ、オレサマん中に無けりゃ無いわな」
そんな百均みたいな感じなのかしら威厳って?! ディスカウントショップで買えるものだったかしら威厳って?!
「いやディス……なんとかって何だよ聞いた事ねぇな」
はっと息を呑む。ついつい心の中で盛大なツッコミをしていたのだが、そう言えばこの悪魔は当たり前のように私の心を読んでくるんだった。
なんという事だ、百均なんて文化がここにある訳ないだろう! どうやって誤魔化す……?! と戸惑いながら今度は私が顔を逸らした。その顔には少量の冷や汗が流れる。
……いやもう諦めよう。偉大なる悪魔様なんだからそれぐらい自分で考えてくださ〜い。
「はぁ? コイツ、オレサマが偉大なる悪魔って知っても態度変えねぇのかよヤバ…………流石は氷の血筋とやら……」
あの皇帝と兄と一緒にしないで欲しいんだけど。まぁ……この悪魔がそれで納得してくれたのならもういいか。
で、それで? 偉大なる悪魔様は草死病《そうしびょう》が竜の呪いって事を教える為にわざわざもう一度不法侵入したのかしら?
「……妙に鼻につく言い方が気になるが見逃してやる寛大なオレサマなのであった。うむ、まぁ実の所その通りなんだわ。後は助言だな」
助言? と私はオウム返しに聞く。悪魔はこくりと頷いて更に続けた。
「アレが竜の呪いである事は誰にも言うな。そして竜の所にはお前一人で行け。お前一人で草死病《そうしびょう》を消滅させろ」
……………………はい? 何言ってますのこの悪魔は?
国一つ滅ぼすような呪いの元凶を一人で何とかしろ? 無茶にも程があるわよ。
適当な事言いやがってと苛立つ私に向け、悪魔は「クハッ!」と邪悪な笑い声をあげた。
「まだただの病とされている為人間達には死ぬまで多少の猶予が残されるようだが……竜の呪いと理解したが最後、即死だぞ。世の中知らなくてもいい事があるってのはそう言う事なんだぜ?」
即死……!?
「当たり前だろ? 呪いってのは呪われた者が自覚した方が効果が強く濃く出るモンだ。竜の呪いなんてものを受けてみろ、自覚し理解した瞬間に呪いがその真価を発揮する。だからこの事は全て終わるまでお前しか知ってはいけない」
悪魔は愉しそうに、残虐に笑っていた。その言葉を聞いて私の手は無意識のうちに少し震えていた。
俯き、その両手を強く合わせて震えを止めようとする。しかし、意味は無かった。
……なんで、知ってしまったが最後の事を私は教えられたの?
それじゃあ、この後私はオセロマイトに着いた瞬間──
「死なねぇよ。お前にはありとあらゆる呪いが効かん。精霊共の加護があるからな」
──死なない? 私、呪いが効かないの?
ピタリ、と震えが止まる。ばっと前を向くと悪魔はつまらなさそうに舌打ちした。
いやいやいや、突然人の夢に不法侵入した奴を偉大なる悪魔とか思えないから! てか偉大なる悪魔なら何でそんなに妙に馴れ馴れしくて妙にフレンドリーで妙に気さくなのよ! 偉大なる悪魔の威厳とか無いのかしら!?
と、私は慌てて捲し立てる。すると悪魔はあっけらかんとして答えた。
「威厳……? まぁ、オレサマん中に無けりゃ無いわな」
そんな百均みたいな感じなのかしら威厳って?! ディスカウントショップで買えるものだったかしら威厳って?!
「いやディス……なんとかって何だよ聞いた事ねぇな」
はっと息を呑む。ついつい心の中で盛大なツッコミをしていたのだが、そう言えばこの悪魔は当たり前のように私の心を読んでくるんだった。
なんという事だ、百均なんて文化がここにある訳ないだろう! どうやって誤魔化す……?! と戸惑いながら今度は私が顔を逸らした。その顔には少量の冷や汗が流れる。
……いやもう諦めよう。偉大なる悪魔様なんだからそれぐらい自分で考えてくださ〜い。
「はぁ? コイツ、オレサマが偉大なる悪魔って知っても態度変えねぇのかよヤバ…………流石は氷の血筋とやら……」
あの皇帝と兄と一緒にしないで欲しいんだけど。まぁ……この悪魔がそれで納得してくれたのならもういいか。
で、それで? 偉大なる悪魔様は草死病《そうしびょう》が竜の呪いって事を教える為にわざわざもう一度不法侵入したのかしら?
「……妙に鼻につく言い方が気になるが見逃してやる寛大なオレサマなのであった。うむ、まぁ実の所その通りなんだわ。後は助言だな」
助言? と私はオウム返しに聞く。悪魔はこくりと頷いて更に続けた。
「アレが竜の呪いである事は誰にも言うな。そして竜の所にはお前一人で行け。お前一人で草死病《そうしびょう》を消滅させろ」
……………………はい? 何言ってますのこの悪魔は?
国一つ滅ぼすような呪いの元凶を一人で何とかしろ? 無茶にも程があるわよ。
適当な事言いやがってと苛立つ私に向け、悪魔は「クハッ!」と邪悪な笑い声をあげた。
「まだただの病とされている為人間達には死ぬまで多少の猶予が残されるようだが……竜の呪いと理解したが最後、即死だぞ。世の中知らなくてもいい事があるってのはそう言う事なんだぜ?」
即死……!?
「当たり前だろ? 呪いってのは呪われた者が自覚した方が効果が強く濃く出るモンだ。竜の呪いなんてものを受けてみろ、自覚し理解した瞬間に呪いがその真価を発揮する。だからこの事は全て終わるまでお前しか知ってはいけない」
悪魔は愉しそうに、残虐に笑っていた。その言葉を聞いて私の手は無意識のうちに少し震えていた。
俯き、その両手を強く合わせて震えを止めようとする。しかし、意味は無かった。
……なんで、知ってしまったが最後の事を私は教えられたの?
それじゃあ、この後私はオセロマイトに着いた瞬間──
「死なねぇよ。お前にはありとあらゆる呪いが効かん。精霊共の加護があるからな」
──死なない? 私、呪いが効かないの?
ピタリ、と震えが止まる。ばっと前を向くと悪魔はつまらなさそうに舌打ちした。