だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜

90.緑の竜3

「それでね、私、あなたの事を助けたいの。何をすればあなたを助けられる?」

 突然話を変えてごめんね、と謝りつつ私は竜を見上げる。
 竜の呪いが緑の竜が瀕死である事を理由に振り撒かれてるものなら……緑の竜を助けない事には呪いを根絶する事は不可能だ。
 竜はちらりとこちらを見て答えた。

『まりょく…………が、たりない。たいようの、ひかりも……これでは、しぜんちゆ……が、できぬ……なおるものも、なおらなぬ……のじゃ』

 魔力と太陽光……? 確か悪魔が自然の権能がどうのこうのって言ってたけれど……もしかして、緑の竜は私が思ってる以上に自然と密接に関わっている存在なのかも。
 白の竜が緑の竜を眠らせる場所に花と緑の国(オセロマイト)を選んだのもそれが理由…?

「……よし分かった。魔力は私の魔力を分けてあげる。太陽光は…………ちょっと今から天井ぶち抜くから待ってて!」
『え、てんじょ、ぶち……?』

 緑の竜は困惑したように目を丸くしてパチパチと瞬きした。
 私はまず念の為にと、衝撃や崩れた天井から竜を守る為に竜を覆う半円型の氷の壁を作りあげた。その次に、氷で作った木の枝もどきを地面に立てて倒れさせる。枝もどきの倒れた方向の天井をぶち抜く事にした。

「今から頑張って地下大洞窟に穴を開けるから、この後分ける魔力無くなったらごめんね!」

 そう宣言しながら私は魔法を発動する。イメージするは間欠泉。地中から土をぶち抜いて穴を作るにはピッタリだ。
 間欠泉の仕組みはよく分かってないけれど、あんな感じで水で土を抉り地上に噴出させてしまえばいい。
 これは難しい魔法なんかじゃあない。水の魔力を持つ誰もが扱える簡単な魔法だ。
 ただ……この場合は、過去一魔力を込めた──最高火力での使用となる。
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