だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「それじゃあ、あなたが撒いた呪いを今すぐどうにかして欲しいわ。それの所為でこの国は滅んでしまいそうなの」
『なぬっ、我の所為で…………それは駄目じゃ、とても駄目じゃ。そんな事が白の姉上にバレては我は叱られる……い、今すぐ何とかするから白の姉上には絶対! 絶対秘密じゃぞ?』
「……ふふっ、えぇ分かったわ。呪いを何とかしてくれるのなら、私から言う事は何も無いわ」
とてもかっこよくて威圧感も凄い存在なのに、どうしてかとても可愛く見えてしまう。
そして暫く待っていると、何だか辺りの空気がスっと軽くなったような気がして。もしかしてこれは……と期待に満ちた目で緑の竜を見つめる。
しかし、緑の竜は何故かふいっとまたそっぽを向いて視線を逸らしたのだ。
『…………すまぬ。呪いの種を撒くのはもう止めたのじゃが、既に撒かれ根を張った種は今の力無き我では消滅させる事が出来なかったのじゃ。ぽぽーっいと叶えてやると言うたのに……』
申し訳無さそうに、しょんぼりとした声で竜は語った。
「えっ!? それじゃあ既に呪われた人達は……?」
『……いや、それなのじゃが……実は少し前より次々に種が消滅しておるのじゃ。何者かによって、我の呪いが解呪されておるようじゃ』
この勢いであれば、一時間もしない内に全ての呪いが消え去るじゃろうな。と感心したように竜は付け加えた。
……リードさんとシャルが頑張ってくれている。それに、もしかしたら国教会から大司教が来てくれたのかもしれない。
ミカリアはちゃんと動いてくれたんだ……!
「っ、よかったぁぁぁあ…………!!」
『どうしたのじゃ人間の娘! まさかお前も呪いに……?!』
呪いが消え去ると言う言葉を聞いて、私はようやく心から安心する事が出来た。その為か体中の力が抜け、背中から倒れ込んでしまった。
絞り出したかのような弱々しい声。何とかこの国を守る事が出来た事による安心と喜びによる涙。今になって襲いかかってくる死の恐怖。
それらの所為で、私は今……凄く泣いていた。邪魔だったからと、この数日間押し殺していた感情が堰を切ったように流れ出る。
「……ぅぐ、ひぐ……っ! よかったっ、ほんとに……死なないで、よかっ、ぐすっ……しぬかと、おもった……っ! こわかっ……た、よっ……ぅっ…………!!」
『どどど、我はどうすればいいのじゃ? こっ、この姿が怖いのか? それとも我の威圧感が悪いのか? 我はどうすればよいのじゃ……?!』
目元を押えながら泣きじゃくる私を見て、緑の竜はとても焦り狼狽していた。
すると突然近くでボフンッ! という爆発音に近い何かが聞こえる。何事かと思い涙でぐちゃぐちゃになった目元から手を退けると、
「……の、のぅ。これでもう怖くないじゃろ? 我はとても優しい竜じゃ……お前に悪い事などせぬ。だから泣き止むのじゃ、人間の娘よ」
そこには──真っ白なワンピースを着たとても可愛いロリっ子がいた。
翡翠色の長髪に、大きくて宝石のような黄金の瞳。瞳孔は変わらず鋭いものの……全体的に丸くなったから怖さや威圧感は感じられない。
小さな口からチラ見えする白い歯は上下どちらもギザギザしていて、人外味を助長する。
大変可愛いらしい声で、そのロリっ子は外見に似合わぬ言葉遣いをする。
この子は、まさか……。
『なぬっ、我の所為で…………それは駄目じゃ、とても駄目じゃ。そんな事が白の姉上にバレては我は叱られる……い、今すぐ何とかするから白の姉上には絶対! 絶対秘密じゃぞ?』
「……ふふっ、えぇ分かったわ。呪いを何とかしてくれるのなら、私から言う事は何も無いわ」
とてもかっこよくて威圧感も凄い存在なのに、どうしてかとても可愛く見えてしまう。
そして暫く待っていると、何だか辺りの空気がスっと軽くなったような気がして。もしかしてこれは……と期待に満ちた目で緑の竜を見つめる。
しかし、緑の竜は何故かふいっとまたそっぽを向いて視線を逸らしたのだ。
『…………すまぬ。呪いの種を撒くのはもう止めたのじゃが、既に撒かれ根を張った種は今の力無き我では消滅させる事が出来なかったのじゃ。ぽぽーっいと叶えてやると言うたのに……』
申し訳無さそうに、しょんぼりとした声で竜は語った。
「えっ!? それじゃあ既に呪われた人達は……?」
『……いや、それなのじゃが……実は少し前より次々に種が消滅しておるのじゃ。何者かによって、我の呪いが解呪されておるようじゃ』
この勢いであれば、一時間もしない内に全ての呪いが消え去るじゃろうな。と感心したように竜は付け加えた。
……リードさんとシャルが頑張ってくれている。それに、もしかしたら国教会から大司教が来てくれたのかもしれない。
ミカリアはちゃんと動いてくれたんだ……!
「っ、よかったぁぁぁあ…………!!」
『どうしたのじゃ人間の娘! まさかお前も呪いに……?!』
呪いが消え去ると言う言葉を聞いて、私はようやく心から安心する事が出来た。その為か体中の力が抜け、背中から倒れ込んでしまった。
絞り出したかのような弱々しい声。何とかこの国を守る事が出来た事による安心と喜びによる涙。今になって襲いかかってくる死の恐怖。
それらの所為で、私は今……凄く泣いていた。邪魔だったからと、この数日間押し殺していた感情が堰を切ったように流れ出る。
「……ぅぐ、ひぐ……っ! よかったっ、ほんとに……死なないで、よかっ、ぐすっ……しぬかと、おもった……っ! こわかっ……た、よっ……ぅっ…………!!」
『どどど、我はどうすればいいのじゃ? こっ、この姿が怖いのか? それとも我の威圧感が悪いのか? 我はどうすればよいのじゃ……?!』
目元を押えながら泣きじゃくる私を見て、緑の竜はとても焦り狼狽していた。
すると突然近くでボフンッ! という爆発音に近い何かが聞こえる。何事かと思い涙でぐちゃぐちゃになった目元から手を退けると、
「……の、のぅ。これでもう怖くないじゃろ? 我はとても優しい竜じゃ……お前に悪い事などせぬ。だから泣き止むのじゃ、人間の娘よ」
そこには──真っ白なワンピースを着たとても可愛いロリっ子がいた。
翡翠色の長髪に、大きくて宝石のような黄金の瞳。瞳孔は変わらず鋭いものの……全体的に丸くなったから怖さや威圧感は感じられない。
小さな口からチラ見えする白い歯は上下どちらもギザギザしていて、人外味を助長する。
大変可愛いらしい声で、そのロリっ子は外見に似合わぬ言葉遣いをする。
この子は、まさか……。