だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「ええと……ナトラ、あちらは私をここまで乗せてくれたブレイドよ。ブレイド、この子は……まぁその、緑の竜のナトラよ。仲良くして頂戴」
とそれぞれの紹介をする。しかしブレイドがナトラの事を警戒しっぱなしで、全然仲良くなってくれなかった。
そんなブレイドの背にナトラと一緒に乗り、とりあえずゆっくりと町まで戻る。町に辿り着くとそこはお祭り騒ぎだった。誰も彼もが涙を浮かべて狂喜乱舞。
何があったのかと道行く女性に聞いた所、数時間前……丁度私がここを出た少し後ぐらいに、ここに国教会の人が来て町の人達を一気に治癒してくれたのだという。
何でも二日前から国教会の人達が南部を起点に北上しつつ全ての町や村を回って治癒していっているそうな。
……竜の呪いを消滅させられる程の魔法を繰り返し使いまくれるとか、国教会ってマジで化け物の集まりなんだな。
「流石は聖人が率いる組織…………」
とボソリ呟いた時。
「──汝、主、既知?」
背後に何者かの気配を感じた。急いで振り返り、私は目を見張る。
「なんじゃこのにんぎょ──むぐぅっ!?」
「ナトラ、ちょっと静かにしてて……っ!」
その人を見てナトラが何か不味そうな事を言いそうになったので、急いでその口を塞ぎながら……私はその人を観察した。
ピンクゴールドの肩上まで伸ばされた髪に不格好な面《めん》。異彩を放つ純白の祭服。そしてこの声、この特徴的な喋り方、私は知っている……っ!
これは間違いなくミカリアの腹心の部下の──、
「ラフィリア……?!」
「汝、当方、既知…………問。氷王女、何者? 早急解、求」
聖人ミカリア・ディア・ラ・セイレーンの腹心の部下にして国教会唯一の枢機卿、ラフィリア。
その正体は幼いミカリアの為に用意された自律型魔導人形《オートマタ》……国教会ではミカリアに次ぐ実力と権力を持つ彼が、どうしてこんな所に!?
「……有名だからですわ。国教会が枢機卿の噂は……不快な思いをさせてしまったのでしたら謝罪致します」
「理解。謝罪、突如解要求」
フォーロイトらしい笑顔で一か八かの言い訳に躍り出たのだが、何とか乗り切れたらしい。
しかし彼と関わっててもあまりいい事は無い為、私はナトラを解放してからブレイドの手綱を握り、早歩きでその場を離れようとしたのだが、
「止、当方、汝連行」
「連行!!?」
手首をラフィリアに掴まれてしまう。その瞬間、私達の足元に何だか見覚えのある魔法陣が浮かび上がる。どうやら本当に、私達はこのまま何処かに連行されるらしい。
とそれぞれの紹介をする。しかしブレイドがナトラの事を警戒しっぱなしで、全然仲良くなってくれなかった。
そんなブレイドの背にナトラと一緒に乗り、とりあえずゆっくりと町まで戻る。町に辿り着くとそこはお祭り騒ぎだった。誰も彼もが涙を浮かべて狂喜乱舞。
何があったのかと道行く女性に聞いた所、数時間前……丁度私がここを出た少し後ぐらいに、ここに国教会の人が来て町の人達を一気に治癒してくれたのだという。
何でも二日前から国教会の人達が南部を起点に北上しつつ全ての町や村を回って治癒していっているそうな。
……竜の呪いを消滅させられる程の魔法を繰り返し使いまくれるとか、国教会ってマジで化け物の集まりなんだな。
「流石は聖人が率いる組織…………」
とボソリ呟いた時。
「──汝、主、既知?」
背後に何者かの気配を感じた。急いで振り返り、私は目を見張る。
「なんじゃこのにんぎょ──むぐぅっ!?」
「ナトラ、ちょっと静かにしてて……っ!」
その人を見てナトラが何か不味そうな事を言いそうになったので、急いでその口を塞ぎながら……私はその人を観察した。
ピンクゴールドの肩上まで伸ばされた髪に不格好な面《めん》。異彩を放つ純白の祭服。そしてこの声、この特徴的な喋り方、私は知っている……っ!
これは間違いなくミカリアの腹心の部下の──、
「ラフィリア……?!」
「汝、当方、既知…………問。氷王女、何者? 早急解、求」
聖人ミカリア・ディア・ラ・セイレーンの腹心の部下にして国教会唯一の枢機卿、ラフィリア。
その正体は幼いミカリアの為に用意された自律型魔導人形《オートマタ》……国教会ではミカリアに次ぐ実力と権力を持つ彼が、どうしてこんな所に!?
「……有名だからですわ。国教会が枢機卿の噂は……不快な思いをさせてしまったのでしたら謝罪致します」
「理解。謝罪、突如解要求」
フォーロイトらしい笑顔で一か八かの言い訳に躍り出たのだが、何とか乗り切れたらしい。
しかし彼と関わっててもあまりいい事は無い為、私はナトラを解放してからブレイドの手綱を握り、早歩きでその場を離れようとしたのだが、
「止、当方、汝連行」
「連行!!?」
手首をラフィリアに掴まれてしまう。その瞬間、私達の足元に何だか見覚えのある魔法陣が浮かび上がる。どうやら本当に、私達はこのまま何処かに連行されるらしい。