だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「あー……誠に不本意ながら聖女と呼ばれている事は分かりました」
「…聖女と呼ばれるのが不本意なのですか? 皆に尊重されるのですよ」
ミカリアが意外、とばかりに目を丸くする。
「私に聖女などという肩書きはあまりにも重すぎます。そもそも私は聖女と呼ばれるような人間ではありませんから」
人々を癒し、導き、尊ばれる……それが私の中の聖女像。
ならば人々を傷つけ、貶め、恐怖される……そんな氷の血筋である私《アミレス》が……聖女になどなれる筈がないのだ。
そもそもなりたいとも思わないけれど。
そういった肩書きは我等がヒロインミシェルちゃんの方が似合うだろう。
「この件に関しては、私は何もしてません。大勢の人達を癒し治したのは皆様ですから……私が受ける賞賛など無いのです。その聖女なる呼称も、私ではなく皆様に贈られるべき賞賛なのです」
実際にこの国の人々を救ったのはリードさんやシャルやミカリアやラフィリアだ。
私がしたのは彼等に治癒を頼みいくらかの物を用意した程度。それで何故聖女と呼ばれるのかが本当に分からない。普通、最前線で動いていた人が賞賛されるものだろう。
そう考えた結果の発言なのだが、これにナトラが反応する。
「何もしていないと言うのは謙遜が過ぎるのではないか、アミレス。お前は他でもない呪いの原因たる我を救ったのじゃぞ。際限なく振り撒かれる筈じゃった我の呪いを、お前が我を救った事で阻止したのじゃ。何故誇らぬ?」
ナトラの綺麗な黄金の瞳が、私を貫いた。
そのすぐ後、今度はミカリアの柔らかな檸檬色の瞳がこちらに向けられる。
「…聖女と呼ばれるのが不本意なのですか? 皆に尊重されるのですよ」
ミカリアが意外、とばかりに目を丸くする。
「私に聖女などという肩書きはあまりにも重すぎます。そもそも私は聖女と呼ばれるような人間ではありませんから」
人々を癒し、導き、尊ばれる……それが私の中の聖女像。
ならば人々を傷つけ、貶め、恐怖される……そんな氷の血筋である私《アミレス》が……聖女になどなれる筈がないのだ。
そもそもなりたいとも思わないけれど。
そういった肩書きは我等がヒロインミシェルちゃんの方が似合うだろう。
「この件に関しては、私は何もしてません。大勢の人達を癒し治したのは皆様ですから……私が受ける賞賛など無いのです。その聖女なる呼称も、私ではなく皆様に贈られるべき賞賛なのです」
実際にこの国の人々を救ったのはリードさんやシャルやミカリアやラフィリアだ。
私がしたのは彼等に治癒を頼みいくらかの物を用意した程度。それで何故聖女と呼ばれるのかが本当に分からない。普通、最前線で動いていた人が賞賛されるものだろう。
そう考えた結果の発言なのだが、これにナトラが反応する。
「何もしていないと言うのは謙遜が過ぎるのではないか、アミレス。お前は他でもない呪いの原因たる我を救ったのじゃぞ。際限なく振り撒かれる筈じゃった我の呪いを、お前が我を救った事で阻止したのじゃ。何故誇らぬ?」
ナトラの綺麗な黄金の瞳が、私を貫いた。
そのすぐ後、今度はミカリアの柔らかな檸檬色の瞳がこちらに向けられる。