だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
(あれ……どう見たって夢魔法の魔法術式だよね? わざわざ魔法陣を解体して術式を紙に書いて……僕達に使うつもりなのかな? 怖っ!)
(いざとなればこれでこいつ等眠らせよう、めんどくさいし)
リードの予測は正しく、シュヴァルツはもしもの時はその場で全員眠らせてやろうと画策していた。
勿論、これからも馬車馬の如く働かせるつもりのリードとシャルルギルには使わないつもりのようだが……。
「……まぁなんだ、とにかく話を続けようぜ。今日一日殿下がいない中色々やった訳だが……正直どうだった、お前等」
話の流れを変えようと、ディオリストラスが皆に問いを投げかける。それに一同は昼間の事を思い出しつつ答えた。
「……恥ずかしい事に、全く集中出来ていなかった。騎士として至らぬ事ばかりで、いっその事自決してしまいたいぐらいだった」
まず初めにイリオーデが独白した。その顔色は未だ悪く、この中で最も精神的ダメージを受けている事は明白であった。
「僕も。何回か神聖十字臨界《セイクリッド・ペトロ》を失敗しそうになってしまったよ、本当に情けない……」
次にリードがため息と共に吐露する。予定通り万能薬を乱用して神聖十字臨界《セイクリッド・ペトロ》という特殊な魔法を何度も発動してのけたリードだったが、それでも本人としてはまだまだと言う扱いになるらしい。
幼少期より真性の化け物と比較され続けた結果、自己を過小評価しがちになってしまったリード。彼は自覚しようとしていないだけで、リードの実力も世界的に見ればトップクラスなのである。
「……オレもやるべき事をしていたが……気が気でなく、常にアミレスの事を考えていた」
(アミレスがここに来たのはオレの所為だ。もし、彼女に何かあれば……オレは…………っ)
次は暗く沈んだ面持ちのマクベスタだった。その膝の上で強く作られた握り拳が小さく震える。
マクベスタは酷く後悔していたのだ。アミレスに兄から送られて来た手紙の内容を教え、協力を乞うた事を。
その記憶が、事実が、重く恐ろしい責任となってマクベスタの肩にのしかかる。
「……気づけば治療に時間がかかるようになってしまった。多分、あれは集中出来ていなかったのだと思う」
次はしょんぼりと項垂れるシャルルギル。ようやく空気を読み真面目に考える事にしたようだ。
「やっぱり全員同じ意見っつーか、感想は変わらねぇんだな。俺も同じだよ、今もなお殿下の事が心配で仕方ねぇ」
最後は後頭部を掻くディオリストラスだった。当たり前のように無茶無謀を繰り返すのだ、そりゃあ心配されまくるのも仕方の無い事。
そんな各々の感想を聞き、ずっと紙に悪夢を見せる魔法の落書きをしていたシュヴァルツがおもむろに口を開いた。
(いざとなればこれでこいつ等眠らせよう、めんどくさいし)
リードの予測は正しく、シュヴァルツはもしもの時はその場で全員眠らせてやろうと画策していた。
勿論、これからも馬車馬の如く働かせるつもりのリードとシャルルギルには使わないつもりのようだが……。
「……まぁなんだ、とにかく話を続けようぜ。今日一日殿下がいない中色々やった訳だが……正直どうだった、お前等」
話の流れを変えようと、ディオリストラスが皆に問いを投げかける。それに一同は昼間の事を思い出しつつ答えた。
「……恥ずかしい事に、全く集中出来ていなかった。騎士として至らぬ事ばかりで、いっその事自決してしまいたいぐらいだった」
まず初めにイリオーデが独白した。その顔色は未だ悪く、この中で最も精神的ダメージを受けている事は明白であった。
「僕も。何回か神聖十字臨界《セイクリッド・ペトロ》を失敗しそうになってしまったよ、本当に情けない……」
次にリードがため息と共に吐露する。予定通り万能薬を乱用して神聖十字臨界《セイクリッド・ペトロ》という特殊な魔法を何度も発動してのけたリードだったが、それでも本人としてはまだまだと言う扱いになるらしい。
幼少期より真性の化け物と比較され続けた結果、自己を過小評価しがちになってしまったリード。彼は自覚しようとしていないだけで、リードの実力も世界的に見ればトップクラスなのである。
「……オレもやるべき事をしていたが……気が気でなく、常にアミレスの事を考えていた」
(アミレスがここに来たのはオレの所為だ。もし、彼女に何かあれば……オレは…………っ)
次は暗く沈んだ面持ちのマクベスタだった。その膝の上で強く作られた握り拳が小さく震える。
マクベスタは酷く後悔していたのだ。アミレスに兄から送られて来た手紙の内容を教え、協力を乞うた事を。
その記憶が、事実が、重く恐ろしい責任となってマクベスタの肩にのしかかる。
「……気づけば治療に時間がかかるようになってしまった。多分、あれは集中出来ていなかったのだと思う」
次はしょんぼりと項垂れるシャルルギル。ようやく空気を読み真面目に考える事にしたようだ。
「やっぱり全員同じ意見っつーか、感想は変わらねぇんだな。俺も同じだよ、今もなお殿下の事が心配で仕方ねぇ」
最後は後頭部を掻くディオリストラスだった。当たり前のように無茶無謀を繰り返すのだ、そりゃあ心配されまくるのも仕方の無い事。
そんな各々の感想を聞き、ずっと紙に悪夢を見せる魔法の落書きをしていたシュヴァルツがおもむろに口を開いた。