だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「あんまり心配とかしない方がいいと思うけどなぁ」
「……何を言ってるんだお前は」
「王女殿下の御身がかかった事なのに、心配するなだと……?」
「この状況でそれは無理だと思うよ……」
シュヴァルツの言葉にはマクベスタとイリオーデとリードが反応する。中でもイリオーデが特に険しい面持ちでシュヴァルツを睨んだのだ。
当のシュヴァルツはペンを走らす手を止めて、
「だって心配っていうのは弱者が弱者にするものなんでしょ? この場合、全ての条件が当てはまらないじゃないか」
と口にした。その言葉に今度はディオリストラスが身を乗り出して、
「じゃあ何だ? こんな状況だってのに心配するなって言うのか、お前は!」
眉を吊り上げてシュヴァルツの胸ぐらを掴んだ。
「ちょっとディオ!」
「やめろディオ。相手は子供だぞ」
リードとシャルルギルがそう言って止めに入るが、「別に大丈夫だよぅ」と言ってシュヴァルツは二人を制止した。
怒りを宿すディオリストラスの瞳を冷たく見つめ、シュヴァルツは呆れ顔を作る。
「ことおねぇちゃんに関しては心配なんて不要だって言ってんの。お前達に──ぼく達に許されたのは、彼女を信じる事だけだ」
その言葉に男達は瞠目した。子供らしからぬ風格で堂々と語るシュヴァルツに、ディオリストラスは怯んだようにシュヴァルツから手を離した。
「……悪かったなシュヴァルツ。ついカッとなっちまった」
「別にいいよぉ、虫に刺されたようなものだし」
ディオリストラスが謝ると、シュヴァルツは特に気にしていない様子で胸元の黒いリボンを結び直していた。
そんなやり取りを眺めながらマクベスタが呟く。
「信じる事だけ、か……そうだな。オレ達がアミレスを心配するのは、アミレスへの侮辱になるのかもしれないな」
「俺達が王女様を心配する事が侮辱になってしまうのか?」
「アミレスは強く賢い。恐らくこの中の誰よりも……シュヴァルツの言う通りならば、人並外れたアミレスの事を彼女よりも弱いオレ達が心配すると言うのは……確かに侮辱に他ならないかもしれない」
「そう言う事か…………弱いと大事な人を心配する事も許されないのか。もど……も……ももかして?」
「もどかしい、か?」
「そうそうそれだ。流石はイリオーデだ、賢いな」
真面目な空気はシャルルギルによって壊された。天然+馬鹿のシャルルギルがこの空気の中意味不明な間違いを犯したのである。
その様子を見かねたイリオーデによるアシストが入り、シャルルギルは言いたかった事を言葉に出来た。
「……何を言ってるんだお前は」
「王女殿下の御身がかかった事なのに、心配するなだと……?」
「この状況でそれは無理だと思うよ……」
シュヴァルツの言葉にはマクベスタとイリオーデとリードが反応する。中でもイリオーデが特に険しい面持ちでシュヴァルツを睨んだのだ。
当のシュヴァルツはペンを走らす手を止めて、
「だって心配っていうのは弱者が弱者にするものなんでしょ? この場合、全ての条件が当てはまらないじゃないか」
と口にした。その言葉に今度はディオリストラスが身を乗り出して、
「じゃあ何だ? こんな状況だってのに心配するなって言うのか、お前は!」
眉を吊り上げてシュヴァルツの胸ぐらを掴んだ。
「ちょっとディオ!」
「やめろディオ。相手は子供だぞ」
リードとシャルルギルがそう言って止めに入るが、「別に大丈夫だよぅ」と言ってシュヴァルツは二人を制止した。
怒りを宿すディオリストラスの瞳を冷たく見つめ、シュヴァルツは呆れ顔を作る。
「ことおねぇちゃんに関しては心配なんて不要だって言ってんの。お前達に──ぼく達に許されたのは、彼女を信じる事だけだ」
その言葉に男達は瞠目した。子供らしからぬ風格で堂々と語るシュヴァルツに、ディオリストラスは怯んだようにシュヴァルツから手を離した。
「……悪かったなシュヴァルツ。ついカッとなっちまった」
「別にいいよぉ、虫に刺されたようなものだし」
ディオリストラスが謝ると、シュヴァルツは特に気にしていない様子で胸元の黒いリボンを結び直していた。
そんなやり取りを眺めながらマクベスタが呟く。
「信じる事だけ、か……そうだな。オレ達がアミレスを心配するのは、アミレスへの侮辱になるのかもしれないな」
「俺達が王女様を心配する事が侮辱になってしまうのか?」
「アミレスは強く賢い。恐らくこの中の誰よりも……シュヴァルツの言う通りならば、人並外れたアミレスの事を彼女よりも弱いオレ達が心配すると言うのは……確かに侮辱に他ならないかもしれない」
「そう言う事か…………弱いと大事な人を心配する事も許されないのか。もど……も……ももかして?」
「もどかしい、か?」
「そうそうそれだ。流石はイリオーデだ、賢いな」
真面目な空気はシャルルギルによって壊された。天然+馬鹿のシャルルギルがこの空気の中意味不明な間違いを犯したのである。
その様子を見かねたイリオーデによるアシストが入り、シャルルギルは言いたかった事を言葉に出来た。