だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
97.緑の竜 番外編3
オセロマイト王への報告を終え、説教と質問責めよりアミレスが脱兎のごとく逃げ出した後の事。アミレスが部屋で深い眠りについたのを確認した面々は、まず初めにリードに何らかの結界を張るように頼んだ。
アミレスは事ある毎に夜中のうちに脱走し、計画的に厄介事に首を突っ込みがちだ。
今はもうその予定も無いと信じたいが、やはり怖いものは怖いので、念の為にと夜中のうちに脱走出来なくなるように結界を張るよう依頼したのである。
結界魔法が苦手だと語るリードが結界を張る中、アミレスの部屋の前で関係者達は一人の少女へと視線を集中させた。
アミレスが草死病《そうしびょう》消滅までの事の顛末を詳しく聞かせてくれなかった為、もう一人の方に聞くしかないと彼等は示し合わせたのである。
「少し話いいか、緑の竜。アンタに聞きたい事があるんだ」
ディオリストラスが代表して少女に声をかけた。
少女は酷く退屈、気だるげな瞳で億劫そうに彼等を見上げる。
「……我にはナトラという名がある。じゃが気安く我の名を口にするな、我はアミレス以外の人間はまだ好かぬ」
これ以上関わるなと突き放すような冷たい声音。ナトラはアミレス以外の人間の事は特に認めてなどいなかった。
以前のナトラであれば返事もしなかった事だろう。しかしこと彼等彼女等に関しては……アミレスの知人友人という事もあり、仕方なく返事したのだ。
「我はもう寝──、いや……我もお前達に二三聞くべき事が出来た」
アミレスの眠る部屋に入ろうと踵を返したナトラであったが、その途中である事を思い出し、足をピタリと止めた。それについて彼等に聞くべく話に応じたのである。
「お前達が我の問に答えたならば、我もお前達の問に答えてやろう」
「……分かった、それでいい。アンタの聞きたい事ってのはなんなんだ?」
ナトラは考えた。一体どれから聞いたものかと。
それは緑の竜がこの一日だけで抱いた違和感。疑問と呼ぶよりかはこう称した方がいい、アミレスにまつわる事。
ナトラが顎に手を当て思考する間、その様子を見守る者達は何を聞かれるんだと固唾を飲んでいた。
アミレスは事ある毎に夜中のうちに脱走し、計画的に厄介事に首を突っ込みがちだ。
今はもうその予定も無いと信じたいが、やはり怖いものは怖いので、念の為にと夜中のうちに脱走出来なくなるように結界を張るよう依頼したのである。
結界魔法が苦手だと語るリードが結界を張る中、アミレスの部屋の前で関係者達は一人の少女へと視線を集中させた。
アミレスが草死病《そうしびょう》消滅までの事の顛末を詳しく聞かせてくれなかった為、もう一人の方に聞くしかないと彼等は示し合わせたのである。
「少し話いいか、緑の竜。アンタに聞きたい事があるんだ」
ディオリストラスが代表して少女に声をかけた。
少女は酷く退屈、気だるげな瞳で億劫そうに彼等を見上げる。
「……我にはナトラという名がある。じゃが気安く我の名を口にするな、我はアミレス以外の人間はまだ好かぬ」
これ以上関わるなと突き放すような冷たい声音。ナトラはアミレス以外の人間の事は特に認めてなどいなかった。
以前のナトラであれば返事もしなかった事だろう。しかしこと彼等彼女等に関しては……アミレスの知人友人という事もあり、仕方なく返事したのだ。
「我はもう寝──、いや……我もお前達に二三聞くべき事が出来た」
アミレスの眠る部屋に入ろうと踵を返したナトラであったが、その途中である事を思い出し、足をピタリと止めた。それについて彼等に聞くべく話に応じたのである。
「お前達が我の問に答えたならば、我もお前達の問に答えてやろう」
「……分かった、それでいい。アンタの聞きたい事ってのはなんなんだ?」
ナトラは考えた。一体どれから聞いたものかと。
それは緑の竜がこの一日だけで抱いた違和感。疑問と呼ぶよりかはこう称した方がいい、アミレスにまつわる事。
ナトラが顎に手を当て思考する間、その様子を見守る者達は何を聞かれるんだと固唾を飲んでいた。