だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
100.氷結の聖女2
「──よし行こう、今すぐ行こう。お風呂すっごく楽しみだわ!」
「はいっ! わたしもお供致します!」
「むむ、であれば我も共に行くのじゃ」
こうして三人(と大勢の侍女達)で花風呂なる浴場に向かう事に。
部屋の扉を開け外に出ると、そこにはやけに眠そうなディオ達とリードさんがいた。皆こちらに気づくと、それぞれ挨拶をして来る。私はそれに一括で「皆おはよう〜」と軽く返し、侍女先導のもと浴場を目指す……のだが。
何か当たり前のように着いてくるわねこの人達。行先が浴場だって事を話してあげた方が良かったのかしら。
やがて浴場の前に着く。すると侍女達がチラチラと困ったようにディオ達を見ていた。私の私兵だから直接言いにくいのかしら?
ならば彼等の主として何とかせねば。
「ねぇ……ディオ、シャル、イリオーデ、リードさん」
「どうした殿下」
「何かあったのか?」
「はい、何でしょうか」
「どうしたんだい?」
くるりと振り返り、彼等を呼ぶ。すると全員が当たり前のように腰を折ったり膝を曲げて目線を合わせてくれた。
優しい彼等に対してこんな事を言うのは気が引けるんだけど……。
「私、これから湯浴みなの。だからこれ以上着いて来られると流石に困るというか……」
ここまで言わなくてごめんねと心のうちで謝罪しつつそう告げると、全員の顔が青くなったり赤くなったりして。
「っ悪ぃそんなつもりじゃなかったんだッ!!」
顔を少し赤くしながら冷や汗を滲ませるディオ。
「………………す、すま……ない……」
耳まで赤くして首が一回転しそうなぐらい顔を背けるシャル。
「──誠に申し訳ございませんでした! この無礼、我が身をもって償いますッ!!」
顔を真っ青にして額を強く地面に殴りつけるイリオーデ。
「ごごごっ、ごめんね本当にごめん! 全然気づかなくて本当にごめんなさい!!」
同じく顔面蒼白で何度も頭を下げるリードさん。
四人共何も聞かずに着いてきた事を後悔しているようだった。それはそうだ、変態の汚名を着せられる所だったんだから。
「まぁ実際に中まで入った訳ではないし、そこまで重くとらえなくていいわよ」
「よくないですよアミレス様! この大人達はあろう事かアミレス様のあられもない姿を……!!」
「でも未遂だし…………」
そもそも私が何も言わなかった事が原因だからね、と言うとメイシアは納得がいかないようにディオ達を睨んでいた。
「あのね、メイシア」
「……なんですか?」
猫のようにディオ達を威嚇しているメイシアの両肩に手を置く。するとメイシアはチラリとこちらを見上げて。
そんな彼女に向けて私は笑顔で宣言する。
「私が、アミレス・ヘル・フォーロイトが──覗きをするような変態を許す訳ないでしょう? 大切な友達が関わってるのなら尚更」
「アミレス様……!」
「だから安心して頂戴な、もし本当に変態が現れたら溺死させてやるから」
「はいっ!」
「はいっ! わたしもお供致します!」
「むむ、であれば我も共に行くのじゃ」
こうして三人(と大勢の侍女達)で花風呂なる浴場に向かう事に。
部屋の扉を開け外に出ると、そこにはやけに眠そうなディオ達とリードさんがいた。皆こちらに気づくと、それぞれ挨拶をして来る。私はそれに一括で「皆おはよう〜」と軽く返し、侍女先導のもと浴場を目指す……のだが。
何か当たり前のように着いてくるわねこの人達。行先が浴場だって事を話してあげた方が良かったのかしら。
やがて浴場の前に着く。すると侍女達がチラチラと困ったようにディオ達を見ていた。私の私兵だから直接言いにくいのかしら?
ならば彼等の主として何とかせねば。
「ねぇ……ディオ、シャル、イリオーデ、リードさん」
「どうした殿下」
「何かあったのか?」
「はい、何でしょうか」
「どうしたんだい?」
くるりと振り返り、彼等を呼ぶ。すると全員が当たり前のように腰を折ったり膝を曲げて目線を合わせてくれた。
優しい彼等に対してこんな事を言うのは気が引けるんだけど……。
「私、これから湯浴みなの。だからこれ以上着いて来られると流石に困るというか……」
ここまで言わなくてごめんねと心のうちで謝罪しつつそう告げると、全員の顔が青くなったり赤くなったりして。
「っ悪ぃそんなつもりじゃなかったんだッ!!」
顔を少し赤くしながら冷や汗を滲ませるディオ。
「………………す、すま……ない……」
耳まで赤くして首が一回転しそうなぐらい顔を背けるシャル。
「──誠に申し訳ございませんでした! この無礼、我が身をもって償いますッ!!」
顔を真っ青にして額を強く地面に殴りつけるイリオーデ。
「ごごごっ、ごめんね本当にごめん! 全然気づかなくて本当にごめんなさい!!」
同じく顔面蒼白で何度も頭を下げるリードさん。
四人共何も聞かずに着いてきた事を後悔しているようだった。それはそうだ、変態の汚名を着せられる所だったんだから。
「まぁ実際に中まで入った訳ではないし、そこまで重くとらえなくていいわよ」
「よくないですよアミレス様! この大人達はあろう事かアミレス様のあられもない姿を……!!」
「でも未遂だし…………」
そもそも私が何も言わなかった事が原因だからね、と言うとメイシアは納得がいかないようにディオ達を睨んでいた。
「あのね、メイシア」
「……なんですか?」
猫のようにディオ達を威嚇しているメイシアの両肩に手を置く。するとメイシアはチラリとこちらを見上げて。
そんな彼女に向けて私は笑顔で宣言する。
「私が、アミレス・ヘル・フォーロイトが──覗きをするような変態を許す訳ないでしょう? 大切な友達が関わってるのなら尚更」
「アミレス様……!」
「だから安心して頂戴な、もし本当に変態が現れたら溺死させてやるから」
「はいっ!」