だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「……本当にお前の魔法は凄いな。オレはまだそこまで正確に操れないから、心より尊敬する」
アップバンクの金髪に翠色の瞳のイケメンが、剣を鞘に収めながら褒めて来る。
彼は私より二つ歳上のマクベスタ・オセロマイト。フォーロイト帝国の隣国でもあるオセロマイト王国の第二王子で、現在親善の為にこちらに滞在中の──二作目の攻略対象だ。
正直、最初は特に関わるつもりも無かったのだけれど……一年前に彼が誰もいない所で一人で素振りしているのを見て、つい、一緒にどう? と誘ってしまったのだ。
元々フリードルと剣の稽古をするつもりだったらしいのだが、フリードルが『しばらくの間稽古はしない予定だ』とか冷たい事を言って友好国の王子を放置していたらしい。
フリードルが自分から放ったらかしにしたんだから、じゃあ私が貰ってもいいよね! という事で誘い、現在に至ると。
勿論その頃には私はエンヴィーさんから剣を教わっていたので、エンヴィーさんとシルフに頼んで一緒にマクベスタの事も見て貰える運びになったのだ。
マクベスタはゲームにてフリードルにも引けを取らない剣術で活躍する。そこにもし、魔法という要素が加われば……きっとフリードルよりも強くなる事だろう。
もしもの時、昔一緒に特訓したよしみで手を貸してくれたらいいなっ、ぐらいの気持ちでエンヴィーさん達による指導を受ける事を彼にお勧めした。
……うーん、我ながら下心しかないな。
「大丈夫よ、貴方は剣も魔法も一流の剣士になれるわ。私が保証する」
ゲームでの貴方はずっと一人で努力をして、その末に一流の剣士になっていたんだもの。師匠を得た今のマクベスタならきっとゲーム以上の剣士になる筈だ。
私はマクベスタと話す時大体この言葉を口にするのだが……マクベスタとて流石に聞き飽きたのか、
「ありがとう、その期待に応えられるよう努めよう」
これと似たような返事ばかりするのだ。……それも、何故か毎回困ったような顔で。
そうやって二人で話しているとエンヴィーさんがマクベスタの顔にタオルを投げつけて……。
アップバンクの金髪に翠色の瞳のイケメンが、剣を鞘に収めながら褒めて来る。
彼は私より二つ歳上のマクベスタ・オセロマイト。フォーロイト帝国の隣国でもあるオセロマイト王国の第二王子で、現在親善の為にこちらに滞在中の──二作目の攻略対象だ。
正直、最初は特に関わるつもりも無かったのだけれど……一年前に彼が誰もいない所で一人で素振りしているのを見て、つい、一緒にどう? と誘ってしまったのだ。
元々フリードルと剣の稽古をするつもりだったらしいのだが、フリードルが『しばらくの間稽古はしない予定だ』とか冷たい事を言って友好国の王子を放置していたらしい。
フリードルが自分から放ったらかしにしたんだから、じゃあ私が貰ってもいいよね! という事で誘い、現在に至ると。
勿論その頃には私はエンヴィーさんから剣を教わっていたので、エンヴィーさんとシルフに頼んで一緒にマクベスタの事も見て貰える運びになったのだ。
マクベスタはゲームにてフリードルにも引けを取らない剣術で活躍する。そこにもし、魔法という要素が加われば……きっとフリードルよりも強くなる事だろう。
もしもの時、昔一緒に特訓したよしみで手を貸してくれたらいいなっ、ぐらいの気持ちでエンヴィーさん達による指導を受ける事を彼にお勧めした。
……うーん、我ながら下心しかないな。
「大丈夫よ、貴方は剣も魔法も一流の剣士になれるわ。私が保証する」
ゲームでの貴方はずっと一人で努力をして、その末に一流の剣士になっていたんだもの。師匠を得た今のマクベスタならきっとゲーム以上の剣士になる筈だ。
私はマクベスタと話す時大体この言葉を口にするのだが……マクベスタとて流石に聞き飽きたのか、
「ありがとう、その期待に応えられるよう努めよう」
これと似たような返事ばかりするのだ。……それも、何故か毎回困ったような顔で。
そうやって二人で話しているとエンヴィーさんがマクベスタの顔にタオルを投げつけて……。