だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「おや。眠り姫の君が起きているなんて珍しいね?」
「…………起きなきゃ、後で怒られる……か……ぐぅ……」
「結局寝るんだね! ここまで起きて歩いて来ただけでもとても珍しいけれども!」
ルーディに話しかけられたロマンスドであったが、会話の途中で寝てしまったらしい。月に一度活動するかしないかのレベルでいつも寝て過ごしているロマンスドが、ここまで起きて歩いて来ただけで確かにとても凄い事なのだ。
だからボク達は多くを望まない。とりあえずルーディにロマンスドを運ぶよう命令し、そしてボクは人間界へと繋がる扉を開いた。
詳しい話は向こうでする、と伝えて。
ルーディとロマンスドが人間界へ行った事を確認し、自室に戻る。
「おおお! こちらが例の我等がエストレラかい、エンヴィー? マイ・ロードのお気に入りだと言──っ」
「姫さんが起きんだろうが静かにしろ」
「……痛いじゃないか!」
するとそこではルーディがアミィに興味を示し騒いでは、エンヴィーによって頭に手刀を落とされ苦痛から涙目になっていた。
まぁいいか、とにかく話を進めよう。
「それじゃあ本題に移るよ」
猫《ボク》がそう告げると、精霊達はしんっ……と水を打ったように静かになる。ロマンスドも船を漕ぎながらではあるが、一応話は聞いてくれているようだ。
「ルーディとロマンスドにやってもらいたいのは──アミィの"死の運命の強奪"とアミィの"夢と精神への介入"だ。出来るか?」
それぞれを見上げ、確認する。それらはルーディとロマンスドの権能であれば容易い事。
アミィから死という運命を奪えたのなら、あの子を取り巻く不安や恐怖や悲惨な運命を全て取り除けるだろう。
アミィの夢や精神へと干渉出来たのなら、あの子が何をどう考えて感じているのか、その真意を知れるだろう。
だからこの二体を呼んだのだ。わざわざ人間界にまで連れ出して……アミィが眠っている間にこんな事を。
我ながら最低な精霊だと思う。こんな暴くようなやり方、間違っている事は分かっている。それでもボクは知りたい、気になるんだ。
アミィの事が大事だから。アミィにだけは苦しんで欲しくない、辛い思いをして欲しくない、死んで欲しくない。
だからこそアミィの中にある矛盾を知る必要がある。あの子が少しでも生き長らえるように……いつでもあの子の助けとなれるように。
そんな言い訳を並べ立てても意味が無い事は分かっている。だけど、やっぱりボクは──。
「…………起きなきゃ、後で怒られる……か……ぐぅ……」
「結局寝るんだね! ここまで起きて歩いて来ただけでもとても珍しいけれども!」
ルーディに話しかけられたロマンスドであったが、会話の途中で寝てしまったらしい。月に一度活動するかしないかのレベルでいつも寝て過ごしているロマンスドが、ここまで起きて歩いて来ただけで確かにとても凄い事なのだ。
だからボク達は多くを望まない。とりあえずルーディにロマンスドを運ぶよう命令し、そしてボクは人間界へと繋がる扉を開いた。
詳しい話は向こうでする、と伝えて。
ルーディとロマンスドが人間界へ行った事を確認し、自室に戻る。
「おおお! こちらが例の我等がエストレラかい、エンヴィー? マイ・ロードのお気に入りだと言──っ」
「姫さんが起きんだろうが静かにしろ」
「……痛いじゃないか!」
するとそこではルーディがアミィに興味を示し騒いでは、エンヴィーによって頭に手刀を落とされ苦痛から涙目になっていた。
まぁいいか、とにかく話を進めよう。
「それじゃあ本題に移るよ」
猫《ボク》がそう告げると、精霊達はしんっ……と水を打ったように静かになる。ロマンスドも船を漕ぎながらではあるが、一応話は聞いてくれているようだ。
「ルーディとロマンスドにやってもらいたいのは──アミィの"死の運命の強奪"とアミィの"夢と精神への介入"だ。出来るか?」
それぞれを見上げ、確認する。それらはルーディとロマンスドの権能であれば容易い事。
アミィから死という運命を奪えたのなら、あの子を取り巻く不安や恐怖や悲惨な運命を全て取り除けるだろう。
アミィの夢や精神へと干渉出来たのなら、あの子が何をどう考えて感じているのか、その真意を知れるだろう。
だからこの二体を呼んだのだ。わざわざ人間界にまで連れ出して……アミィが眠っている間にこんな事を。
我ながら最低な精霊だと思う。こんな暴くようなやり方、間違っている事は分かっている。それでもボクは知りたい、気になるんだ。
アミィの事が大事だから。アミィにだけは苦しんで欲しくない、辛い思いをして欲しくない、死んで欲しくない。
だからこそアミィの中にある矛盾を知る必要がある。あの子が少しでも生き長らえるように……いつでもあの子の助けとなれるように。
そんな言い訳を並べ立てても意味が無い事は分かっている。だけど、やっぱりボクは──。