だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
♢♢♢♢
「すっご〜〜〜い!」
「アミレス様に楽しんでいただけたようで良かったです」
風に吹かれながら遠く下方に見えるオセロマイトの大地を眺める。身を乗り出してはしゃぐ私の隣で、メイシアが微笑む。
私達は今、シャンパー商会の開発した飛空船に乗ってフォーロイト帝国へと帰っている。いざ帰るかとなった時、雷虎《プラズマタイガー》がいなくなり移動手段を失った荷馬車をどう持って帰るか悩んでいた所、メイシアの提案で飛空船に荷馬車を積み、私達もまたそれに相乗りさせて貰ったのだ。
ラ・フレーシャの傍にこんなカッコイイものが係留していたなんて! と飛空船を初めて見た時にはしゃいでしまい、皆に温かい目で見つめられてしまった。
オセロマイト王や王妃との別れも済ませ、飛空船──シャン・ドゥ号に乗り込んで絶賛帰国中なのである。空をゆっくりと進む船の上にて、私はそれはもうはしゃいでいた。
最早王女らしい振る舞いとか知らない。恥ずかしかろうと私は私らしく振る舞うのみ、だ!
あまりにも飛空船を楽しんでいる私の為にとメイシアが船内を案内してくれた。
この飛空船、なんとたったの二日で帝都郊外に到着する事が出来るそうで、そこで私達は下船し、その後はメイシアの護衛兼シャン・ドゥ号船長の魔導師ゼルドさんがシャンパージュ伯爵家の領地まで飛空船を持っていく流れになっている。
そう言う訳で、これから二日間この船で過ごす事になるので私はメイシアの説明を良く聞きながら各所を回っていた。
客室に談話室、ちゃんとした浴場に御手洗、食堂や遊戯場《カジノ》まで色んな場所がある。他にも貨物室と操舵室があるそうなのだが、そこは一応立ち入り禁止でと言われた。
イメージとしては前世で言う豪華客船……の縮小版みたいなもの。それでも大きく広いこの船は、シャンパー商会のもてる技術を総動員して作ったものらしい。
この人類の技術の集大成と呼べるものにシルフも師匠もかなり興奮していた。ここはこうしてるのか、なるほどこの魔力で、こんなものを作り出すなんてな、等々……とても楽しそうに二人は話していた。
シルフと師匠だけではない。皆がこの船に驚き興奮冷めやらないまま案内が終わり、自由行動が始まった途端それぞれが気になる場所に再度向かったのだ。
過保護になっているのか、私の傍を離れようとしないイリオーデとマクベスタにも好きなように過ごしてねと言いつけた。メイシアやナトラ、シュヴァルツには、ちょっと一人でゆっくり休みたくて。と告げて私は見事一人になる事に成功した。
甲板にあったベンチに座り、徐々に沈みゆく夕陽を見ながらぼーっとする。
ここ数日間毎日思っていたけれど……こんなにも穏やかな気持ちは久々だ。この一ヶ月間色々あったからなぁ……ついにゲームのシナリオを改編し始めた訳だけど、これが今後どう影響を及ぼすのか。
怖いな、でも立ち向かわないと。私は死にたくない。生きていたい。アミレスとして──アミレスと一緒に、幸せになりたいんだから。
「……ねぇ、アミレス。私達にとっての幸せってなんなのかな」
「すっご〜〜〜い!」
「アミレス様に楽しんでいただけたようで良かったです」
風に吹かれながら遠く下方に見えるオセロマイトの大地を眺める。身を乗り出してはしゃぐ私の隣で、メイシアが微笑む。
私達は今、シャンパー商会の開発した飛空船に乗ってフォーロイト帝国へと帰っている。いざ帰るかとなった時、雷虎《プラズマタイガー》がいなくなり移動手段を失った荷馬車をどう持って帰るか悩んでいた所、メイシアの提案で飛空船に荷馬車を積み、私達もまたそれに相乗りさせて貰ったのだ。
ラ・フレーシャの傍にこんなカッコイイものが係留していたなんて! と飛空船を初めて見た時にはしゃいでしまい、皆に温かい目で見つめられてしまった。
オセロマイト王や王妃との別れも済ませ、飛空船──シャン・ドゥ号に乗り込んで絶賛帰国中なのである。空をゆっくりと進む船の上にて、私はそれはもうはしゃいでいた。
最早王女らしい振る舞いとか知らない。恥ずかしかろうと私は私らしく振る舞うのみ、だ!
あまりにも飛空船を楽しんでいる私の為にとメイシアが船内を案内してくれた。
この飛空船、なんとたったの二日で帝都郊外に到着する事が出来るそうで、そこで私達は下船し、その後はメイシアの護衛兼シャン・ドゥ号船長の魔導師ゼルドさんがシャンパージュ伯爵家の領地まで飛空船を持っていく流れになっている。
そう言う訳で、これから二日間この船で過ごす事になるので私はメイシアの説明を良く聞きながら各所を回っていた。
客室に談話室、ちゃんとした浴場に御手洗、食堂や遊戯場《カジノ》まで色んな場所がある。他にも貨物室と操舵室があるそうなのだが、そこは一応立ち入り禁止でと言われた。
イメージとしては前世で言う豪華客船……の縮小版みたいなもの。それでも大きく広いこの船は、シャンパー商会のもてる技術を総動員して作ったものらしい。
この人類の技術の集大成と呼べるものにシルフも師匠もかなり興奮していた。ここはこうしてるのか、なるほどこの魔力で、こんなものを作り出すなんてな、等々……とても楽しそうに二人は話していた。
シルフと師匠だけではない。皆がこの船に驚き興奮冷めやらないまま案内が終わり、自由行動が始まった途端それぞれが気になる場所に再度向かったのだ。
過保護になっているのか、私の傍を離れようとしないイリオーデとマクベスタにも好きなように過ごしてねと言いつけた。メイシアやナトラ、シュヴァルツには、ちょっと一人でゆっくり休みたくて。と告げて私は見事一人になる事に成功した。
甲板にあったベンチに座り、徐々に沈みゆく夕陽を見ながらぼーっとする。
ここ数日間毎日思っていたけれど……こんなにも穏やかな気持ちは久々だ。この一ヶ月間色々あったからなぁ……ついにゲームのシナリオを改編し始めた訳だけど、これが今後どう影響を及ぼすのか。
怖いな、でも立ち向かわないと。私は死にたくない。生きていたい。アミレスとして──アミレスと一緒に、幸せになりたいんだから。
「……ねぇ、アミレス。私達にとっての幸せってなんなのかな」