だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
そんな風に泣かないで欲しい。苦しまないで欲しい。
君は泣いた顔よりも氷像のような顔よりも一輪の薔薇のような……パッと咲いた花のような笑顔が似合う。だからどうか、笑って。
君が何の気兼ねもなく笑って幸せになれるよう、僕が頑張るから。君の幸せや君の未来を守る為と思えば、最悪な修行も苦じゃないよ。
だからどうか、どうか……君には笑っていて欲しいんだ。
人間は、ちゃんと幸せにならなきゃ駄目なんだ。どんな生まれであろうと人間には幸せになる権利がある。それは勿論君にだってあるんだ。
君は幸せになれる。いや、幸せにしてみせる。君が幸せになれるよう、僕が──僕達が君を守るから。
『そんなに沢山の国に行ってたんですか?』
『すごい……そんな絶景があるなら見てみたいなぁ』
『私もいつかそんな自由な旅がしてみたいです!』
瞳を輝かせて、あんなにも無邪気に初対面だった僕の話を聞いてくれた心優しき君に。
今までの人生でただの一度も感じられなかった生きて来た意味を、初めて僕に感じさせてくれた君に。
僕を……聖人を超える為の道具としてでもなく、その肩書きや役職でもなく、ただの一人の人間として頼り期待を寄せてくれた君に。
目標も意味も無く、ただ周りに言われるがまま定められたつまらない人生を送っていた僕に、意味と目標を与えてくれた君に。
──僕は、恩返しがしたいんだ。
きっと君はそんな自覚も無いだろう。そもそもこれは僕が勝手にそう受け取っているだけに過ぎない。君にとっては身に覚えのない事だろうね。
でも…………それでも僕にとってはとても重要な事なんだ。大事な事なんだ。
枯れて後はもう擦り切れるだけだった僕の世界が息を吹き返したように、真っ白で何も描けないまま色褪せたキャンバスに、もう一度だけ色を与えてみようと思えた。
これが最後のチャンスだ。分不相応な力を望み、手に入れた僕は……ろくな死に方もしないだろうし長生きも出来ないだろう。
だからこそ、これが残りの人生できっと最後のチャンスになる。僕が、この人生の終わりに──生きていて良かったと、意味のある人生だったと胸を張って言えるようになる為の最後の決意。
切っ掛けは確かにシュヴァルツ君だったかもしれない。でも、これは紛れもなく僕自身の意思で決めた事だ。他の誰でもない、僕の意思。
大いなるご意思でも、父の言葉でもなく、僕というただ一人の人間の決意。
アミレス・ヘル・フォーロイトという少女の幸福な未来の為に、僕はもう一度あの場所に戻ろう。
もう逃げない。一度は目を背けた僕の役目と向き合う時が来た。
聖人を超える必要なんてない。僕は僕のやり方で彼女の為にこの身を尽くそう。誰の為でも無く、僕の為に。僕がこうしたいと思ったから。
君が君らしく振る舞えるように。もう、そんな風に泣いて苦しむ事が無いように。少しでも君の未来の支えになれるのなら、それが本望だ。
だからね、王女殿下。少しだけ待っていて欲しい。
僕が君を守れるようになって、堂々と君の前に僕……私として立って名乗れるように。
強く、偉くなって戻って来るから。聖人にも負けないぐらいの力と権力を手に君の盾となるべく戻るから。
だからそれまでは……どうか、待っていて欲しい。
君は泣いた顔よりも氷像のような顔よりも一輪の薔薇のような……パッと咲いた花のような笑顔が似合う。だからどうか、笑って。
君が何の気兼ねもなく笑って幸せになれるよう、僕が頑張るから。君の幸せや君の未来を守る為と思えば、最悪な修行も苦じゃないよ。
だからどうか、どうか……君には笑っていて欲しいんだ。
人間は、ちゃんと幸せにならなきゃ駄目なんだ。どんな生まれであろうと人間には幸せになる権利がある。それは勿論君にだってあるんだ。
君は幸せになれる。いや、幸せにしてみせる。君が幸せになれるよう、僕が──僕達が君を守るから。
『そんなに沢山の国に行ってたんですか?』
『すごい……そんな絶景があるなら見てみたいなぁ』
『私もいつかそんな自由な旅がしてみたいです!』
瞳を輝かせて、あんなにも無邪気に初対面だった僕の話を聞いてくれた心優しき君に。
今までの人生でただの一度も感じられなかった生きて来た意味を、初めて僕に感じさせてくれた君に。
僕を……聖人を超える為の道具としてでもなく、その肩書きや役職でもなく、ただの一人の人間として頼り期待を寄せてくれた君に。
目標も意味も無く、ただ周りに言われるがまま定められたつまらない人生を送っていた僕に、意味と目標を与えてくれた君に。
──僕は、恩返しがしたいんだ。
きっと君はそんな自覚も無いだろう。そもそもこれは僕が勝手にそう受け取っているだけに過ぎない。君にとっては身に覚えのない事だろうね。
でも…………それでも僕にとってはとても重要な事なんだ。大事な事なんだ。
枯れて後はもう擦り切れるだけだった僕の世界が息を吹き返したように、真っ白で何も描けないまま色褪せたキャンバスに、もう一度だけ色を与えてみようと思えた。
これが最後のチャンスだ。分不相応な力を望み、手に入れた僕は……ろくな死に方もしないだろうし長生きも出来ないだろう。
だからこそ、これが残りの人生できっと最後のチャンスになる。僕が、この人生の終わりに──生きていて良かったと、意味のある人生だったと胸を張って言えるようになる為の最後の決意。
切っ掛けは確かにシュヴァルツ君だったかもしれない。でも、これは紛れもなく僕自身の意思で決めた事だ。他の誰でもない、僕の意思。
大いなるご意思でも、父の言葉でもなく、僕というただ一人の人間の決意。
アミレス・ヘル・フォーロイトという少女の幸福な未来の為に、僕はもう一度あの場所に戻ろう。
もう逃げない。一度は目を背けた僕の役目と向き合う時が来た。
聖人を超える必要なんてない。僕は僕のやり方で彼女の為にこの身を尽くそう。誰の為でも無く、僕の為に。僕がこうしたいと思ったから。
君が君らしく振る舞えるように。もう、そんな風に泣いて苦しむ事が無いように。少しでも君の未来の支えになれるのなら、それが本望だ。
だからね、王女殿下。少しだけ待っていて欲しい。
僕が君を守れるようになって、堂々と君の前に僕……私として立って名乗れるように。
強く、偉くなって戻って来るから。聖人にも負けないぐらいの力と権力を手に君の盾となるべく戻るから。
だからそれまでは……どうか、待っていて欲しい。