だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「もういっその事最初から私の側近になって貰おうかしら……フリードルの手下を引き抜くのは多分不可能だし」
ぐぬぬぬ、と唸りながら考える。ただそうすると、レオナードが妹分みたいに接するミシェルちゃんとの出会いが無くなる可能性も──
「……いや、そもそも妹が死ななければいいんだわ。そしたらレオを私陣営に勧誘する事への懸念は無くなるし……」
──ハッと私は思いつく。レオナードは死んだ妹代わりにミシェルちゃんに優しくし、可愛がっていた。つまり妹が死ななければミシェルちゃんの存在で心の穴を埋める必要も無くなる! これだ!!
「決まりだわ。これから私が絶対にやらなきゃいけない事は──大公領の内乱の阻止か介入。それでレオの妹が死なないようにするのよ!」
急いで紙に優先事項と記し、そこに大きく『レオの妹の死亡は絶対阻止!』と激しい主張を残す。
残りの本編前に起こる事はほとんど私じゃあどうしようもない事だし、やれる事と言えば大公領の事ぐらいか。
本編開始後はミシェルちゃんができる限り平和なルートに進む事を祈りつつ、来たる厄災や戦争に備え──ずに私は逃げよう。戦争が始まったらアミレスの死は確定するようなもの。
それに……ぶっちゃけ私いらないし。ミシェルちゃんさえいれば厄災は何とかなるし。多分私がいても足でまといになるだけだし。
よって、恐れるものは戦争のみ。だから私は戦争が始まったら逃げる。皇帝の目が届かない帝国の辺境とかへと逃げよう、それしか生き延びる道は無いのだから。とにかく戦争に巻き込まれないようにしないと。
「ふぅ…………じゃあ次は私が個人的にやりたい事か。貧民街大改造計画でしょ、もっともっと強くなりたいし、私が逃げ出した後の皆の安全の為に色々と対策も考えなきゃ。そうだ、せっかくの私兵なんだから団服とか作っちゃおうかな? 他にも──」
一人きりの部屋の中で。私は色々な事を空想した。ああすればいいか、いやこうすればいいのか? でもあっちの方が、なんて独り言をずっとぶつぶつ呟いた。
暫くそれを続けていると、やがて日本語がびっしり書かれた紙が十枚程にまで増えていて…………外ももう真っ暗になっており、我ながらどれだけ集中していたんだとちょっと引いてしまった。
「ん〜っ、それにしても……こんなに色々思い出したのも何だか久しぶりだわぁ。でも、何かまだ大事な事を…………忘れてる気がする……」
椅子の前足が浮かぶぐらい、ぐぐっと背を伸ばしつつ考える。
そして直ぐに思い出した。そう言えばミカリアルートの事を全く思い出してなかったなと。
何せミカリアのルートはフォーロイトとハミルディーヒの戦争は起きず(ミシェルちゃん誘拐事件で怒り狂ったミカリアが大暴れして帝国が一方的に壊滅状態に追い込まれるからである。勿論アミレスもここで死ぬ。聖人怖っ)、厄災もまたミカリア一人であっさりと消滅させる。
だがしかし、その代わりにとんでもない宗教大戦が起きるのだ。それにはミシェルちゃんを始めとして神殿都市にいる攻略対象全員が巻き込まれるのだ。
相手は勿論リンデア教。その勝負を仕掛けたのはリンデア教の教皇なのだが、実際に戦場に現れて聖人たるミカリアを瀕死の重傷にまで追い込んだのは別の人物だった気がする。
ただ、その人物の名前は思い出せない。そんな激ヤバ人物に限ってどうして名前を覚えていないのかね私は!
「〜〜っ、だって! その人何かすっごい長い名前だった気がするんだもん! 仕方ないじゃんかぁ!!」
ジタバタと足を暴れさせながら大声で自分自身へと言い訳する。アンディザは登場人物が多い上に皆名前が長い。顔と名前が一致しない事なんてザラにあり、世界史を習っているような気分にもなる。
だからこれは仕方の無い事なのだ。その激ヤバ人物だってミカリアのルート、それも終盤の宗教大戦の時しか出て来なかったし……覚えられるわけないじゃん!!
ぐぬぬぬ、と唸りながら考える。ただそうすると、レオナードが妹分みたいに接するミシェルちゃんとの出会いが無くなる可能性も──
「……いや、そもそも妹が死ななければいいんだわ。そしたらレオを私陣営に勧誘する事への懸念は無くなるし……」
──ハッと私は思いつく。レオナードは死んだ妹代わりにミシェルちゃんに優しくし、可愛がっていた。つまり妹が死ななければミシェルちゃんの存在で心の穴を埋める必要も無くなる! これだ!!
「決まりだわ。これから私が絶対にやらなきゃいけない事は──大公領の内乱の阻止か介入。それでレオの妹が死なないようにするのよ!」
急いで紙に優先事項と記し、そこに大きく『レオの妹の死亡は絶対阻止!』と激しい主張を残す。
残りの本編前に起こる事はほとんど私じゃあどうしようもない事だし、やれる事と言えば大公領の事ぐらいか。
本編開始後はミシェルちゃんができる限り平和なルートに進む事を祈りつつ、来たる厄災や戦争に備え──ずに私は逃げよう。戦争が始まったらアミレスの死は確定するようなもの。
それに……ぶっちゃけ私いらないし。ミシェルちゃんさえいれば厄災は何とかなるし。多分私がいても足でまといになるだけだし。
よって、恐れるものは戦争のみ。だから私は戦争が始まったら逃げる。皇帝の目が届かない帝国の辺境とかへと逃げよう、それしか生き延びる道は無いのだから。とにかく戦争に巻き込まれないようにしないと。
「ふぅ…………じゃあ次は私が個人的にやりたい事か。貧民街大改造計画でしょ、もっともっと強くなりたいし、私が逃げ出した後の皆の安全の為に色々と対策も考えなきゃ。そうだ、せっかくの私兵なんだから団服とか作っちゃおうかな? 他にも──」
一人きりの部屋の中で。私は色々な事を空想した。ああすればいいか、いやこうすればいいのか? でもあっちの方が、なんて独り言をずっとぶつぶつ呟いた。
暫くそれを続けていると、やがて日本語がびっしり書かれた紙が十枚程にまで増えていて…………外ももう真っ暗になっており、我ながらどれだけ集中していたんだとちょっと引いてしまった。
「ん〜っ、それにしても……こんなに色々思い出したのも何だか久しぶりだわぁ。でも、何かまだ大事な事を…………忘れてる気がする……」
椅子の前足が浮かぶぐらい、ぐぐっと背を伸ばしつつ考える。
そして直ぐに思い出した。そう言えばミカリアルートの事を全く思い出してなかったなと。
何せミカリアのルートはフォーロイトとハミルディーヒの戦争は起きず(ミシェルちゃん誘拐事件で怒り狂ったミカリアが大暴れして帝国が一方的に壊滅状態に追い込まれるからである。勿論アミレスもここで死ぬ。聖人怖っ)、厄災もまたミカリア一人であっさりと消滅させる。
だがしかし、その代わりにとんでもない宗教大戦が起きるのだ。それにはミシェルちゃんを始めとして神殿都市にいる攻略対象全員が巻き込まれるのだ。
相手は勿論リンデア教。その勝負を仕掛けたのはリンデア教の教皇なのだが、実際に戦場に現れて聖人たるミカリアを瀕死の重傷にまで追い込んだのは別の人物だった気がする。
ただ、その人物の名前は思い出せない。そんな激ヤバ人物に限ってどうして名前を覚えていないのかね私は!
「〜〜っ、だって! その人何かすっごい長い名前だった気がするんだもん! 仕方ないじゃんかぁ!!」
ジタバタと足を暴れさせながら大声で自分自身へと言い訳する。アンディザは登場人物が多い上に皆名前が長い。顔と名前が一致しない事なんてザラにあり、世界史を習っているような気分にもなる。
だからこれは仕方の無い事なのだ。その激ヤバ人物だってミカリアのルート、それも終盤の宗教大戦の時しか出て来なかったし……覚えられるわけないじゃん!!