だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
120.事件発生?!2
「はっ、はぁっ……!」
男は必死に走る。雪の降る夜の街を必死に走る。
激しく息をしながら、足を止める事無く逃げ惑う。
「なんっ……で……っ、俺が、こんな目に……!!」
今にも泣きたい思いで、男は嘆いた。だが、それは天にも人にも届かない。その嘆きが届くのは──正体不明の殺人鬼のみ。
余裕綽々とばかりに、逃げ惑う男に軽々追いつく殺人鬼。全身を闇のようなローブで包み込み、男か女かさえも分からない。
「ひぃっ?! や、やめろ、誰か助けッ──」
殺人鬼は懐より取り出した短剣《ナイフ》でグサリ、と男の心臓を一突き。
息を失い地に倒れ込んだ男の心臓……そこに突き立てられた短剣《ナイフ》を抜き取り、殺人鬼はその代わりとばかりにトランプを一枚、短剣《ナイフ》のあった場所に刺した。
それはハートのエース。これより帝都を騒がせる事となる、連続殺人事件の開幕を告げるものであった。
男は必死に走る。雪の降る夜の街を必死に走る。
激しく息をしながら、足を止める事無く逃げ惑う。
「なんっ……で……っ、俺が、こんな目に……!!」
今にも泣きたい思いで、男は嘆いた。だが、それは天にも人にも届かない。その嘆きが届くのは──正体不明の殺人鬼のみ。
余裕綽々とばかりに、逃げ惑う男に軽々追いつく殺人鬼。全身を闇のようなローブで包み込み、男か女かさえも分からない。
「ひぃっ?! や、やめろ、誰か助けッ──」
殺人鬼は懐より取り出した短剣《ナイフ》でグサリ、と男の心臓を一突き。
息を失い地に倒れ込んだ男の心臓……そこに突き立てられた短剣《ナイフ》を抜き取り、殺人鬼はその代わりとばかりにトランプを一枚、短剣《ナイフ》のあった場所に刺した。
それはハートのエース。これより帝都を騒がせる事となる、連続殺人事件の開幕を告げるものであった。