だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「……ぁー、さむ……」
特にこれといった防寒もせず出てきたので、口から吐き出される息は真っ白。体も声もずっと震えている。ああでも、体の震えに関しては……別の要因もあるかな。
「はは……私、フォーロイトなのに。こんな気持ちがまだ……ちゃんとあったんだ」
自嘲気味に乾いた笑い声を発する。私は、可能な限り人に死んで欲しくないと思っていた。
人の生死に毛程の興味を示さないこの氷の血筋に生まれながらも、何とかここまてこの人並みの感情を守り抜けたらしい。
伯爵夫人にクラリス、そしてマクベスタが死んでしまうかもと考えると……本当に嫌だった。何としてでも阻止しないとと思った。
関わりのある人の死だけを恐れる私を、人は非道だと罵るだろう。関わりのない人の死に関心を抱かない私を、人は無情だと罵るだろう。
「……でも、それでも私は──親しい人が悲しむ姿を、見たくないなぁ…」
雪に包まれ、瞳を伏せながら消え入りそうな声で呟いた。
どれだけ罵られても、蔑まれてもいい。ああ、だってそういうのには慣れてるもの。
私は、悪逆非道冷酷無比な氷の血筋の人間だから。
特にこれといった防寒もせず出てきたので、口から吐き出される息は真っ白。体も声もずっと震えている。ああでも、体の震えに関しては……別の要因もあるかな。
「はは……私、フォーロイトなのに。こんな気持ちがまだ……ちゃんとあったんだ」
自嘲気味に乾いた笑い声を発する。私は、可能な限り人に死んで欲しくないと思っていた。
人の生死に毛程の興味を示さないこの氷の血筋に生まれながらも、何とかここまてこの人並みの感情を守り抜けたらしい。
伯爵夫人にクラリス、そしてマクベスタが死んでしまうかもと考えると……本当に嫌だった。何としてでも阻止しないとと思った。
関わりのある人の死だけを恐れる私を、人は非道だと罵るだろう。関わりのない人の死に関心を抱かない私を、人は無情だと罵るだろう。
「……でも、それでも私は──親しい人が悲しむ姿を、見たくないなぁ…」
雪に包まれ、瞳を伏せながら消え入りそうな声で呟いた。
どれだけ罵られても、蔑まれてもいい。ああ、だってそういうのには慣れてるもの。
私は、悪逆非道冷酷無比な氷の血筋の人間だから。