だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜

122.事件発生?!4

 シャンパージュ伯爵家、そしてディオ達に連続殺人事件の概要を話し、伯爵夫人とクラリスがそれぞれ狙われる危険性があると話した所……伯爵とバドールがそれに憤慨した。
 二人共愛する人が殺されるかもしれないなんて聞いたのだから、当然の反応だった。
 いつ殺人鬼が来るかも分からないからとにかく警戒を、と言おうとしたのだが……いかんせん相手は相当な手練だ。どれ程警戒すればいいかも分からない。
 しかし、どうしても伯爵夫人とクラリスが心配だと言うお二人の為に私は決断した。

「では伯爵夫人はこちらの部屋を、クラリスは向かいの部屋を使ってくださいな」
「慈悲深き王女殿下に感謝致します……わたくし共の為にこのようなお部屋を……」
「い、いいのかしら……わた、私がこんな、凄い部屋をつつっ使って……」

 軽く部屋の案内をすると伯爵夫人とクラリスは恐縮していた。
 私の決断……それは二人を暫く皇宮で匿う事。勿論ケイリオルさんにも許可は取ってある。この街で一番安全な場所は間違いなく皇宮だ。だから皇宮で二人を匿うという私の判断には、伯爵もバドールも納得し、任せてくれた。
 ちなみに。伯爵夫人の世話の為に侍女一人とメイシアがお供して来た。
 クラリスの方は、礼儀作法に自信が無い。とかで皆で相談した結果代表してイリオーデが護衛として皇宮まで来る事になったようだ。
 ただ一つ疑問だったのが、クラリスを迎えに行った時イリオーデの髪色が青から赤に変わっていた事だった。赤髪が狙われる事件と話したのに何故あえてその色に?! と本人に問うと。

『もしもの時、この色であれば囮などになれるかと思い』

 などと言ったのだ。バドールやメアリードからもクラリスの事を強く頼まれているらしいので、彼なりに責任重大なんだろう……と私は自分を納得させた。
 そして伯爵夫人とクラリスを東宮まで連れて来て、二人の部屋を用意して東宮の案内をしているのだが……なんというか、イリオーデの様子が変なのだ。
 妙にぼーっとしてるというか、ずっと悲しそうな顔をしている。
 度々立ち止まってはじっとどこかを見つめていたりもするし…………本当にどうしたんだろう。そんなに壁の装飾とかが気になるのかしら。
 後でちょっと本人に聞いてみよーっと。

「あの、アミレス様。あちらの部屋は何の部屋なのですか?」
「あぁあそこはね──」

 メイシアがこうしてよく話を振ってくれるから、話題にも困らず楽しく東宮を案内する事が出来る。伯爵夫人もクラリスもそれなりに楽しんでくれてるみたいだし……徐々に緊張も解れてきたみたい。
 しかしずっと気になってたんだけど、何でクラリスもイリオーデも団服で来たのかしら。楽な格好でおいでって言ったのになぁ。
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