だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「話は戻るが──……この世界が俺達の知ってるいずれかの未来に進むとして、お前は八割近い確率で死ぬ。俺だって場合によっては他の奴のバットエンドで皆殺しに巻き込まれたり、厄災に世界を滅ぼされて皆死ぬ。皆殺しの例を挙げるとロイやセインのルートのバットエンドだな」
カイルがどこからともなく取り出したペンで紙にカリカリと何かを書き始めた。それを見る為に私は立ち上がり、カイルの元へと駆け寄った。
紙には『アミレス&カイルが死ぬイベント』と書かれていて、その下に次々と私達の死因が書き出されてゆく。
「やたらと主要キャラが死にがちなアンディザの世界で誰も死なない完全ハッピーエンドなんて存在しない。だから誰かの犠牲は許容しないといけない。だから聞きたいんだが、お前は誰の犠牲なら許容出来る?」
ペン先をこちらに向け、カイルは非情な質問を投げかけてきた。……これは、主要キャラの中から誰かを選び出せって事なのよね。
──誰を、選べって言うの? だって皆それぞれに辛い過去や悲しい今があって、幸せな未来が待っているのよ? それを私の一存で壊して踏み躙るって事…………?
「……っ」
そんなの出来ない。フリードルと言えばいいんだろうけど、きっとカイルもそれを望んでいるんだろうけど、私にはそれが出来ない。
「ふむ、俺の中にあるカイルの訴えもそうだが……お前の中のアミレスの訴えも大概やばそうだな。どんだけ憎んでてもフリードルの名前を出せないとか。じゃあ、とりあえずはー……暫定としてミカリアとかアンヘル辺りを犠牲にするか」
仕方ないなぁと言いたげな口調でカイルはミカリアとアンヘルの名前を出した。
「……ねぇ、本当に誰かが犠牲にならなきゃいけないの?」
「そりゃあ犠牲無しで大団円を迎えられるのなら俺だってそれを選ぶさ。でも無理だろ、特にこの二作目の世界だとよ。ミシェルと攻略対象の愛物語を盛り上げる為の舞台装置として、この世界は踏み荒らされるんだから」
「……それはそうだけど、私はやっぱり知ってる人が犠牲になるのは見過ごせないわ。とても、自分勝手な事だとは思うけど……」
「それは誰だってそうだろ。誰が見ず知らずの人の生き死にまで気にするんだ? 俺達は神じゃねぇんだから、手の届く範囲を守るだけで精一杯だ。手の届かない範囲まで守ろうとしたり心を痛めるのは生きる人の傲慢でしかないんだよ」
カイルは私の言葉を肯定し、ぴしゃりと言い放った。その上で彼は更に続ける。
カイルがどこからともなく取り出したペンで紙にカリカリと何かを書き始めた。それを見る為に私は立ち上がり、カイルの元へと駆け寄った。
紙には『アミレス&カイルが死ぬイベント』と書かれていて、その下に次々と私達の死因が書き出されてゆく。
「やたらと主要キャラが死にがちなアンディザの世界で誰も死なない完全ハッピーエンドなんて存在しない。だから誰かの犠牲は許容しないといけない。だから聞きたいんだが、お前は誰の犠牲なら許容出来る?」
ペン先をこちらに向け、カイルは非情な質問を投げかけてきた。……これは、主要キャラの中から誰かを選び出せって事なのよね。
──誰を、選べって言うの? だって皆それぞれに辛い過去や悲しい今があって、幸せな未来が待っているのよ? それを私の一存で壊して踏み躙るって事…………?
「……っ」
そんなの出来ない。フリードルと言えばいいんだろうけど、きっとカイルもそれを望んでいるんだろうけど、私にはそれが出来ない。
「ふむ、俺の中にあるカイルの訴えもそうだが……お前の中のアミレスの訴えも大概やばそうだな。どんだけ憎んでてもフリードルの名前を出せないとか。じゃあ、とりあえずはー……暫定としてミカリアとかアンヘル辺りを犠牲にするか」
仕方ないなぁと言いたげな口調でカイルはミカリアとアンヘルの名前を出した。
「……ねぇ、本当に誰かが犠牲にならなきゃいけないの?」
「そりゃあ犠牲無しで大団円を迎えられるのなら俺だってそれを選ぶさ。でも無理だろ、特にこの二作目の世界だとよ。ミシェルと攻略対象の愛物語を盛り上げる為の舞台装置として、この世界は踏み荒らされるんだから」
「……それはそうだけど、私はやっぱり知ってる人が犠牲になるのは見過ごせないわ。とても、自分勝手な事だとは思うけど……」
「それは誰だってそうだろ。誰が見ず知らずの人の生き死にまで気にするんだ? 俺達は神じゃねぇんだから、手の届く範囲を守るだけで精一杯だ。手の届かない範囲まで守ろうとしたり心を痛めるのは生きる人の傲慢でしかないんだよ」
カイルは私の言葉を肯定し、ぴしゃりと言い放った。その上で彼は更に続ける。