だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜

139.狙うはハッピーエンド6

 脳内お祭り状態の私はかなり上機嫌なまま個室を出た。
 この後アルベルトに会う時間あるかしら、まぁ一応ケイリオルさんの所に行くだけ行ってみよう。会えたらラッキーぐらいの気持ちで。
 また私が何かやらかさないかと目を光らせるハイラに少し怯みつつも廊下を歩いていると、まさかの人物に呼び止められた。

「アミレス・ヘル・フォーロイト。何故、お前があの場にいた」

 聞き覚えのある声に振り向くと、案の定そこにはフリードルがいた。数ヶ月ぶりにフリードルの顔見たけど、まぁ随分と過労で逞しい顔つきになってるじゃないの。フリードルの深い青の瞳を支える隈がとても素晴らしいわ、このままどんどん隈が濃くなってしまえばいいのに。
 それにしてもこの人、さっきの私の証言聞いてなかったのかしら。

「ご機嫌よう、兄様。何故と言われましても、先程証言した通りですわ。私がこの件の関係者だったから証人喚問に応じた、ただそれだけです」

 ニコリと笑顔を貼り付けて返事する。今ここで詳しく話す義理なんて無いよね、だってさっき確かに話したんだもの。
 というか、私は今からケイリオルさんの所に行かなきゃいけないのよ。貴方との無駄話に付き合ってあげる時間なんて無いんですけど。

「僕はどうしてお前がこの件に関わっているのかと聞いているんだが」

 めんどくさ〜〜っ! 何で一から十まで説明してあげないといけないのかしら。全部知らなきゃ気が済まない駄々っ子なのかな?
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